ビットコイン(BTC)の価格は、11万6000ドルを下回る水準まで調整している。ジャクソンホール会合での米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長の講演を控え、市場の不透明感が強まり、投資家やトレーダーがリスク評価を見直す動きが広がった。
短期保有者による損失確定売りが再び加速
先週記録した史上最高値12万4500ドルからビットコインは7.6%下落した。この調整に伴い、オンチェーンデータ分析を手掛けるクリプトクオントによると、過去3日間で短期保有者(保有期間155日未満)が保有していた2万BTC超が、損失を抱えたまま取引所に送金された。
グラスノードのデータによれば、日曜日には1670BTCが損失状態で移動し、火曜日には2万3520BTCまで急増した。これにより、価格は11万8600ドルから11万4400ドルへと3.5%下落した。
下のチャートでは、損失を抱えて取引所に送られたビットコインの大部分が短期保有者によるものであることが示されており、長期保有者の割合はわずか10%にとどまる。
この動きは、短期トレーダーが価格下落局面でパニック売りを行い、損失を確定するという典型的な行動パターンを示している。
クリプトクオントのアナリスト、クリプト・メヴシミ氏によると、短期保有者が持続的に損失確定に動いたのは今年1月以来であり、「その時期は今回のサイクルで最も深い調整局面だった」と指摘する。
「1月の下落以来初めて、STH-SOPR倍率が再び1を下回った。これは短期投資家が再び損失を出して売却していることを示す」とメヴシミ氏は8月18日のレポートで述べている。
このような動きは通常、2つの展開を意味する。1つは、勢いの弱まりとさらなる調整への前触れ。もう1つは、一時的にSOPRが1を下回ることが、弱気派を一掃し、持続的な上昇への道を開く健全なリセットとなるケースだ。
「今回の損失売却は市場の健全性を測る重要な指標となる。迅速に吸収されれば、過去の反発と同様の回復につながる可能性がある。一方、そうでなければモメンタムの崩壊を示唆する」とメヴシミ氏は付け加えた。
BTC10万ドル割れはあり得るか?
11万5000ドルを割り込んだことで、一部アナリストやトレーダーの間では、ビットコインが10万ドルを下回るさらなる調整に入るとの見方も出ている。
トレーディング企業スイスブロックは、5月8日に10万ドルを突破して以降、100日以上築かれてきた10万~11万ドルのサポートゾーンを下抜けさせる必要があると述べ、「不可能ではないが、弱気派にとっては厳しい戦いだ」とXで投稿した。
ビットコインアナリストのアルファBTC氏は、月曜日の安値11万4700ドルを下回れば、価格は11万~11万2000ドルの需要帯へと下落する可能性があると予測している。
一方で、予測市場プラットフォームのポリマーケットによると、今週後半にかけて価格の軟化が続く可能性が高く、BTCの価格が11万4000ドルで週末を迎える確率は73%と見られている。11万2000ドルを下回る確率は39%、11万ドルと10万8000ドルへの下落はそれぞれ18%と16%とされている。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。
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