仮想通貨市場は本日上昇しており、ビットコイン(BTC)価格は、予想よりも低い生産者物価指数(PPI)と米ドルの下落の影響で、11月15日に17,171ドルに達して3.1%増となった。

仮想通貨と株式市場は、卸売物価が月間で0.2%、前年比で8%上昇したPPIデータに反応した。これは、事前に予想されていた前月比0.4%、前月比8.4%の上昇を下回るものだ。このニュースにより、ナスダックは2.5%上昇し、S&P500は1.4%上昇した。

FTX破綻は信じられないほどのボラティリティを引き起こしたが、ビットコイン価格は17,000ドル以上に上昇するなどポジティブに反応した一方で、トレーダーはまだ最後の降伏が来ることを警告している。現在の環境で仮想通貨市場の強さに影響を与える3つの主要因を検証してみよう。

Nasdaq, S&P 500 and Bitcoin. Source: TradingView

FTX破綻の状況の中でボラティリティがまだ高まることが見込まれるため、一部のアナリストは市場の底はまだ見えていないと考えており、BTCのオンチェーン損失は2020年3月以来最も低いSOPRを示している。

一部のアナリストはまだ2022年が2018年の弱気市場を模倣すると予想しているため、残りの第4四半期は泥沼のままだ。同時に、この弱気トレンドが2023年の開始までになくなるという希望もある。

連邦準備制度理事会、インフレに一定の進展

高インフレは1年にわたっており、FRBが利上げを継続する要因となっている。しかし、11月10日にCPIデータによってビットコインが数分で1,000ドル上昇し、今回のPPIの数値と合わせて、インフレがピークに達したかもしれないことを市場に示している。

インフレが横ばいになるとして、利上げの見通しを巡って噂が集まっている。PPIの好結果と11月の75ベーシスポイントの利上げの後、政策がUターンし始めそうだ。今後数ヶ月の利上げが緩和され、2023年に完全に反転するのではないかという予想が出ている。

CMEグループのFedWatch Toolによると、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、通常の75bpsではなく、25~50bpsの引き上げが予想されている。


Fed target rate probabilities chart. Source: CME Group

11月4日に発表された失業率データは、強気派の自信に火をつけた。予想を上回ったことで、利上げが望ましい効果を上げていることが示唆され、米連邦準備制度のピボットが遅かれ早かれ訪れる可能性がある。

ビットコインの建玉はFTXによるボラティリティの急上昇の後、下落。

データによると、BTC/USDは16,000ドル以下で年初来安値となったが、FTXの破綻は投資家が期待していた上昇に繋がった。

ビットコインの建玉も、FTXの破綻後のボラティリティの高い週の後、急落した。11月5日、BTCの建玉は328億ドルで、11月14日には185億ドルに大幅に減少した。


Bitcoin price and open interest. Source: Coinglass

10月には、ビットコインのボラティリティはいくつかの主要な法定通貨を下回ることさえあり、ビットコインはリスク資産というよりもステーブルコインのような挙動になっていた。

ただ、ビットコインのヒストリカルボラティリティインデックス(BVOL)を見てみると、最近、数年来の安値まで下落した後、25.05以上まで急激に上昇した。

Bitcoin volatility index. Source: TradingView

調査会社Reflexivity Researchの共同創設者であるウィリアム・クレメンテ氏は、ビットコインのファンディングレート(資金調達率)がついにマイナスになったことを指摘し、これは反転のシグナルであると強調した。

ドルは新たな章を見据える

2022年を通して放物線状に上昇した米ドル指数(DXY)は、現在、冷え込みの兆しを見せ始めている。

米ドル指数は最近2002年以来の高水準を記録し、最近のCPIとPPIで暴走するインフレに一定の歯止めが見られたため、勢いが冷めた可能性がある。理投資家はDXYの後退を、仮想通貨のようなリスク資産に対するセンチメントを高める理由とみなすことができる。

一方、DXYが圧力を受けていることは、ビットコインやアルトコインの復調と歩調を合わせるようにやってきた。歴史的に、DXYの冷え込みの後には、ビットコイン価格が上昇する。


BTC/DXY 1-day comparison. Source: TradingView