テスラのイーロン・マスクCEOがソーシャルメディア大手「ツイッター」の買収の意向を表明してから約7ヶ月。440億ドルの取引は、激しい企業間の綱引きにもかかわらず、当初の条件のほとんどに近い形でようやく決着がついた。ブロックチェーン領域におけるニュースや発表、マーケティング、開発者とユーザーのコミュニケーションのためのプラットフォームとして、仮想通貨コミュニティはツイッターの未来について議論している。

今週リスボンで開催されたWebサミットで、仮想通貨取引所バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、ツイッターに実装してほしい最初の機能は仮想通貨決済の受け入れであると語っている。バイナンスはツイッター買収に際して5億ドルを投資しているが、CZは彼と取引所が取引に参加することを決めた主な理由として、tツイッターをWeb3に移行させるためだとも言っている

「最初のステップは、仮想通貨を受け入れることだ。ツイッターは世界中にユーザーを抱えているわけで、8ドルの認証マークを法定通貨で支払うには、200以上の支払プロセッサーを統合しなければならない。しかし、仮想通貨を使うなら、それを追加するだけで完了だ」

分散型取引所Uniswapの共同設立者であるヘイデン・アダムス氏や仮想通貨取引所FTXの共同創設者であるサム・バンクマン-フリード氏など他の関係者は、プラットフォームの集中型構造についてより懸念しているようだ。

「ツイッターのスパムは、1社に権限を集中させたままという不要な制約があることで解決困難になっている。APIを開放して、開発者がその上で構築できるようにすれば、他の人が問題を解決してくれるはずだ」とアダムス氏は言う。バンクマン-フリード氏もこれに同意し、次のように付け加えた

「複数の企業がパーミッションレスでインターフェースできる分散型APIのようなレイヤーがあれば、グローバルに人々の間でリアルタイムに情報を伝達できるのに」

11月3日のバンクマン-フリード氏のツイートによれば、FTXがツイッター買収に参加することを検討したが、最終的には見送ったという。「我々の強みが、ツイッターに対するイーロンのビジョンに必要なものとは思えなかったからだ」という。「ツイッターはリーダーシップの刷新を必要としており、イーロンはそれを行った」とバンクマン-フリード氏は言い、FTXチームはイーロン・マスクのビジョンに参加するよりも、アドバイザーであり続けることを選んだと付け加えている。

イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏も議論に参加し、ツイッター認証マークの有料化についてコメントしている。「月8ドルを支払って、誰でも名乗ることができてしまえば、ブルーチェックのアンチスパム的な役割が損なわれる。しかし、実際の検証が行われるならば、結果は大きく異なる」と書いている。その上でブテリン氏は、買収前のツイッターの認証マークのシステムは、月額20ドルのサブスクリプション案よりもはるかに排他的であったと指摘し、「理想的なのは、検証はコストで課金され、他のプレミアムサービスとは別であることだ」と述べている。

しかし、アダムズ氏やバンクマン-フリード氏と同様に、ブテリン氏も、より分散化されながらも制御された機能をプラットフォームに導入することを提唱している。