ビットコインの弱気派で知られる米国人アナリストのトッド・コルビン氏が、10日のCNBCとのインタビューの中で「仮想通貨相場の一連の動きを見ていて、短期間で強気派になるは難しい」と述べた上で、強気派になるための必要なのは「明確さ」と話した。

 コルビン氏は、米国の先物やオプション取引ブローカーであるアンブロジーノ・ブラザーズのアナリスト。弱気派から強気派に転換するためには、取引所のセキュリティ、規制、ビットコインの投資方法の3つの面で明確さを確認する必要があると話した。

 まず、同氏によると、最近、ビットコイン価格が1000ドル下落した理由は、韓国取引所のコインレールビッサムなどへのハッキングと指摘。「やばい。誰かが取引所から俺のウォレットを盗んじゃった」と行った状況が続く限り、弱気相場が続くことになると解説した。

 また同氏は、規制についても不透明な部分が多いとみている。投資家にとって保護のためのバリアーがない状態であるのと同時に、仮想通貨をどのように好意的に扱うのかが未だ不明確だという。

 「現在、米国政府はビットコインが何なのか定義することができていない。有価証券とは呼ばず、米国証券取引委員会(SEC)の管轄ではないというが、よく分からない」

 さらにコルビン氏は、ビットコインへの投資方法が増える必要性を主張。GBTCビットコイン投資信託のような商品には高い需要があるとした上で、こういった商品の増加が増えれば「長期的に高い価格を維持できるようになる」と話した。

 ちなみにコルビン氏は、ビットコイン価格の次の重要な心理的な節目は5000ドルと予想。ビットコインは去年の10月以来、その水準を下回って取引をしていない。同氏は「5000ドルまで下がったら、洗練された投資家が参入してくるだろう」と付け加えた。