仮想通貨産業の競争は熾烈になってきている。この産業への新規参入者は、ロイヤルユーザー層を抱える既存の取引所に追いつくための苦しい戦いを強いられる。一方で、仮想通貨取引所のバイナンスは、設立から1年未満で取引高で世界最大の取引所となった。

 バイナンスのジャオ・チャンポン(通称CZ)CEOは、これまでの経験から知識を集め、取引所を急速に発展させてきた。しかし、取引所の成長の天文学的速さには、本人ですら未だに驚かされている。

 17年7月、ジャオ氏はバイナンスのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を開始し、1500万ドル(約16億6000万円)を調達した。これによりイーサリアムに基づいた独自のERC20準拠のトークン、BNBを備える仮想通貨取引所が開発できるようになった。法定通貨との取引はまだ提供していないが、多くの仮想通貨銘柄をバイナンスの口座に入金することができる。

 18年6月まで話を進めると、バイナンスは他の仮想通貨取引所がその後を追うような模範を示している。バイナンスは現在世界最大の取引所であり、コインマーケットキャップのデータによれば取引高は15億ドルになる。バイナンスは自身の業界におけるリーダーとしての地位を固めるために、大規模な行動を起こしている。

 コインテレグラフとの独占インタビューで、ジャオ氏はバイナンスが正式にマルタで銀行口座を開設し、取引所でいずれ法定通貨の入金と引き出しがサポートされるようにするための道筋を作ったことを明かした。

 41歳になるCEOは、取引所の人気の急上昇に伴って発生した困難や、彼らのICOがバイナンスの創設をどのように始動させたかについてなどをオープンに語ってくれた。彼は幾つかの取引所が取引高のデータを水増ししていたことに対する最近の批判に関して意見を述べ、ブロックチェーンによって可能になる複数の革新的なアイディアに触れ、バイナンスのチームにより着手されている現在のプロジェクトについての見識を提供した。

経歴について

 ジャオ・チャンポン(CZ)はどのようにして仮想通貨業界に参入したか

 ジャオ・チャンポン: 私は金融やIT業界で働いてきた。事業家としてもかなり長い間活動しており、BTCチャイナの出資者の1人だ。BTCチャイナは最古のウェブサイトの1つだ。出資者の1人が私の良き友人で、彼は私にビットコインとリップルを紹介してくれた。それは13年のことで、早すぎもしなければ遅すぎもしなかった。友人の名前はロン・カオといって、中国のライトスピード・ベンチャーズのマネージング・ディレクターだった。13年に彼は「なあCZ、ビットコインを調べてみたらどうだ?結構面白そうだぞ」と言った。そして調べてみて、私はビットコインを本当に気に入った。

 CZは中国で生まれカナダで育った。彼は文化の混ざり合いが彼自身のあり方、そしてバイナンスの運営手法を形作ったと語った。

 CZ:私は両方の経験が私個人のあり方、考え方、経営手法、そしてバイナンスの運営のされ方に関して、かなり大きな影響を与えたと考えている。なぜならバイナンスは私の個性も多く受け継いでいるからだ。中国的な観点で言うと、中国人はとても、とてもよく働く。彼らは止まることがない。自分が持っているビジネス上の関係を見極めていれば、夜の11時でも何曜日でも、ベンダーに電話をかけることができる。彼らは応対するだろう。中国の文化では、それは完全に許されていることなのだ。彼らはただ、止まらずに働く。バイナンスのチームはそういった文化を保持している。

 カナダでの経験は、国際的な観点からとても、とても役立った。カナダは移民国家であり、あらゆる種類の人種や、生まれの異なる様々な人々が存在している。カナダはまた、とても友好的な国だ。というより、国際的にとても友好的な国だ。私は若い頃、さらに幾つかの場所に住んでいたことがあり、そのため常に地球は単一の存在であると感じている。私はこれまで、強く一国に拘る考え方を本当の意味で持っていたことはない。なのでバイナンスのチームは真に国際化されている。弊社のユーザーは国際的である。

 また、私がビットコインについて学んだ初めての日に、私は「これは今後、国際的にとても上手く行くだろう」と考えた。なぜなら私自身、国家間の送金で沢山のトラブルを経験してきたからだ。例えば、もし私が香港に引っ越すとしたら、カナダから香港へ送金を行いたいと思うだろう。そして、それは面倒なことだ。私はそういった面倒さが持つ影響力を理解している。私は中国、カナダ、アメリカ、香港、日本といった場所全てに住んだことがあり、そうした経験が私の助けになっている。

 CZはOKコインで仮想通貨業界に関する経験を積んだ。そのことはバイナンスを創始する際にとても助けになったという。

 CZ:OKコインでの経験もとても助けになったと考えている。あの場所での経験には幾つか種類があった。実地で経験を積めたことはとても助けになったと思う。私がOKコインに加わったのは、社員が20~30人ぐらいで、まだ会社が始まって数ヶ月の頃だったと思う。余り大きな会社ではなかった。私達はその取引所を何も無い状態から最大級の取引高を持つ取引所にまで成長させた。もっとも、そうした取引高の一部は疑わしい物なのだが。

 取引所を成長させる実地経験をした際、私は3人の共同創業者のうちの1人であり、チーフ・テクニカル・オフィサー(CTO)だった。そうした経験を積むことはとても価値のあることだった。バイナンスは解決しなければならなかったはずの多くの失敗を、当時の試行錯誤のおかげで避けることができた。他にも重要な要素がある。そうした経験を持っていたことは、私に多くの改善点があることを教えてくれた。それが取引所産業というものであり、バイナンスには現在ですら多くの改善の余地がある。

 私がバイナスを創始した際、多くの人間がこのように言った。

「既に世界中に何千もの取引所がある。とても競争の激しい業界だ。何であなたは新しく始めたいと思うんだ?うまく行くはずがない」

 そうした発言が私を思いとどまらせることはなかった。なぜなら私には知識や経験があり、それらが多いに助けとなったからだ。

批判について

 CZは否定的な評判に対する対処方法について意見を述べた。

 CZ:否定的なコメントには2種類ある。1種類目は、弊社のユーザーが私達に提供してくれる建設的なフィードバックであり、どうすれば弊社は改善できるのか、弊社が行っている事で間違っている事は何なのか、そして弊社が行っている事で必ずしも悪い事ではないが、最善の方法を取っていない物は何なのか、といった事だ。私達はこうしたフィードバックを読み、反映し、改善を行っている。私達はこうしたフィードバックを真剣に受け止めている。2種類目の否定的なコメントは、組織的中傷、もしくは自身の中核事業に集中する代わりに、弊社に関する否定的なニュースを広めることに時間を費やしている競合他社による物である。

 また、様々な種類の旧来のメディアが、仮想通貨に関して誤解を抱いている。一部の国または政府、もしくは人々が最近の取引高が疑わしい取引所に対する批判を広めている。私達が目にするニュースのうち90%は恐怖、不安、そして疑いで占められていると私は考えている。私達はそういったニュースは通常無視し、ただ自分たちの仕事を進めている。そうするのは実に簡単だ。一日が終わる時、人は自分の周りの人々やユーザーに対し何をもたらせたかを重んじるのだと私は思う。そういったことが最も重要なことなのだ。

 弊社では価値を作り出すことに重点を置いている。とても多くの人々が私に対し、バイナンスを通じて経済的な自由を達成したと語ってくれた。その際彼らはバイナンスのICOを利用したか、もしくはバイナンスに上場されている仮想通貨の内の幾つかで投資を行ったそうだ。こういった発言のおかげで、私達は進み続けることができる。こういった発言はとても信頼できる物なのだ。弊社は人々の生活を助けている。そのことが私達にとって、進み続けるためのとても強いモチベーションとなっている。私達は、自分たちが正しいことをしていると知っているのだ。

 私達は否定的な物はどんな物でも、とても容易く無視することができる。正直に言うと、否定的なニュースが多いことは私達の助けになっている。なぜならそういったニュースは議論や論争を生み出し、多くの野次馬にとってはそちらの方がより面白い話になるからだ。

 もしニュースが「バイナンスは素晴らしい、バイナンスは素晴らしい」ばかりだったら人々はすぐに飽きてしまい、マーケティングの観点から認識できる物が減ってしまう。なので、否定的なニュースが多いことは私達の助けになっている。なぜなら話というものには起伏が無ければいけないからだ。正直に言うと、初期の頃ですら競合他社の一部が意図的に弊社に関するネガティブなニュースを広めていたことに、私達は気づいていた。弊社は当時、一番では無かった。ごく小さな会社だった。けれどもそういったネガティブなニュースが、弊社を成長させることに本当に役立った。

取引高の水増しについてー主張に対するCZの反応

 最近、沢山の報道機関が一部の仮想通貨取引所が取引高データの水増しを行い、順位を高めようとしていたと報じた。CZはこれらの主張に対し以下のように言及した。

 CZ:価格が激しく動いている際に、多くの様々な取引所の沢山のローソク足チャートを見てみれば、もちろん疑わしい取引高は存在するだろう。基本的に上位10位以内の取引所や、私が考えるにバイナンスでは、そういった疑わしい取引高は全く見ないだろうし、弊社は取引高については大変正直にやっている。弊社では実のところ、取引高が低いことを報告し、弊社が常に一番ではないことを知らせるための方法を欲している。弊社が実際に直面している問題はそういった事柄だ。

 いくつかの仮想通貨取引所では取引高の報告を2回行う所を、弊社では1回だけ行っている。基本的に弊社では、他の取引所と同じ基準を使っていれば報告しているはずの量のうち、50%は除外するのだ。購入と売却が起きる時、1回きりの取引であれば、買い主側と売り主側が存在することになる。基本的に、仮に私があなたから1ビットコインを購入したとして、いくつかの取引所はこの取引高を2ビットコインとして数える。なぜなら1回の購入と、1回の売却が起きたからだ。弊社ではこれを常に1回として報告する。様々な意味で、弊社では取引高の50%しか報告していないのだ。

 いくつかの取引所は最近、より正直になったと私は考えている。そして他にも仮装売買や、とてもあからさまな手法が存在している。ローソク足チャートを見て、価格が大幅に動いているのであれば、取引高は低い。価格が安定している際に取引高がとても高かったら、それは仮装取引であり、不自然だ。多くの取引所では、仮想通貨のプロジェクトチームが上場する際に要件を課しており、幾らかの取引高を保証しなければならなくなっている。何が起きるのかというと、上場したチームは何人か、彼らがマーケットメーカーと呼ぶ人間を雇う。彼らはその後、大量の取引高をただ作り出すのだ。彼らは基本、2つのアカウントを作り、その間でただお互いに取引を行う。この方法は取引所は行っていないが、プロジェクトチームは行っている。上場の要件の一部として、幾つかの取引所はプロジェクトチームに対し取引高の保証を行うよう要請する。弊社はそんな事はやらない。

 弊社は常に一番であるということがないよう、一生懸命努力している。なぜなら一番であることは時折、特に規制当局関連の他の問題を生み出すからだ。規制当局は一番である者と話をしたがる。私達は常に一番であるということがないよう、一生懸命努力している。しかし、他の会社は一番になるために取引高を増やすよう、一生懸命努力しているのだ。またトラフィック分析に目を向け、様々なウェブサイト規模の単一トラフィックを見てみれば、明確によく分かることだろう。取引高で上位10位内に入る取引所を見てみれば、その多くが同程度の取引高か、時には弊社よりも取引高が高くなっていることが分かる。そして彼らのウェブトラフィックは弊社の10%しかないのだ。

1年以内で帝国を築く

 CZは、バイナンスが取引高で世界最大の仮想通貨取引所になった速度は、彼自身も驚かせたことを認めている。彼はまた、バイナンスのユーザーが爆発的に増えたことで発生した困難についても掘り下げた。

 CZ:本当に正直に言うと、私はここまで早く世界一になるとは思っていなかった。ここまで来るのには確実に2~3年はかかると思っていた。それを実現するために本当に多くの計画を私達は用意していた。しかしとても早くに実現してしまったので、私は本当に驚いた。

 弊社のシステムは弊社の競合他社の物よりも、誇張なしに早いのではないかと私は考えており、そのことも役に立った。とても早いシステムを構築する場合、あるいはとても現代的な道路を建設する場合、人々はそれらを使って大変素早く行動する。そういったことが弊社の高い取引高に貢献したのではと私は考えている。そして弊社が高い取引高を維持できているために、人々は弊社の下へとやってくる。受動的なサイクルのような物だ。弊社のシステムは大変好調だ。なぜなら私達はとても早く、容量の多いシステムをゼロから構築したからだ。しかし、弊社にはこのような発展を助けてくれた部署が他にも色々と存在する。カスタマーサポートが特にそうだ。

 会社がゼロから数百万のユーザーを抱えるまで急成長すると、その数百万のユーザーたちは質問をしてくるし、助けを必要する。カスタマーサポートの観点から言うと、弊社はAIシステムを持っていないため、全てが人基準で行われている。弊社は大急ぎで人を雇うようになった。そのため当初は多くのしわ寄せが来たが、現在ではようやく解消しつつある。現在、弊社はまず間違いなく、この業界でも最良のサポートを提供している会社の1つであると私は思う。けれども、まだ成長の余地があると私は考えている。弊社のサポートは不十分だ。私の考えでは十分に良いと言えるまでには程遠いと思う。この部分については、弊社は未だに多少奮闘中だ。しかし弊社はそれを達成することを目標にしている。

ICOの力

 バイナンスはICOを利用して創設され、またネイティブなバイナンスのトークンであるBNBを使用するユーザーに対して手数料の50%割引を提供している。CZはICOは会社が資金を調達するための大変強力な方法であると語っている。

 CZ:BNBを口座に持っており、手数料の支払いに使っている人は、創設時から今日に至るまで手数料の50%割引を受けている。ICOは本当に弊社の助けとなってくれた。どれほど役に立ったかなど、どれだけ強調しても足りないほどだ。ICOの助けにより、弊社はおよそ10~200倍の規模となったのではないかと私は考えている。まず第一に、ICOを通じての資金調達は、旧来のベンチャーキャピタル(VC)ラウンドを通じて行うのに比べ、誇張抜きに100倍以上簡単だった。私達ははるかに素早く、かつ簡単に資金を調達することができたのだ。

 私はいつも想像してしまうのだが、パラレルワールドに居る別の自分か誰かが、同じ経歴、同じ外見、同じ能力を持っていたとして、彼が作った会社がVCラウンドを通じて資金を調達するのは2年は遅くなるだろう。そして正直に言うと、その会社は資金調達が2年遅くなるどころか、存在もできないだろう。なぜなら現在、私達が今の位置に居るということは、私達と同じようなことを2年遅れて行うような会社は存在することができないと思うからだ。

 ICOはまた、様々な方法で私達の助けとなってくれた。ICOのおかげで当初のユーザー基盤を確保できたのだ。弊社がまだ始まってすらおらず、まだ弊社のプラットフォームがローンチされてさえいないというのに、ICOの段階でさえ、弊社にはおよそ2万5000人の登録ユーザーが居た。ICOのおかげで弊社はとても人気となり、また大変な価値を持つ当初のユーザー基盤を確保することができた。さらにトークン経済が存在することで、弊社のICOに参加した人々は今や投資家であり、仮想通貨所有者であり、ユーザーでもあるのだ。このような経済は今まで存在したことがない。以前はユーザーとは単に支払いを行うか、システムに価値を追加していく存在ではあったが、価値を実現する株主たちとは通常、別の集団に属する人間だった。しかし今では、彼らは同一の存在となった。自分でもICOを行い、またICOを行った多くの他の人間を見てきて、私は個人的にはICOは素晴らしいツールであり、消えることはないだろうと考えている。これを悪い目的に使っている人間は沢山いるが、それは人間が悪いだけであって、ツールが悪いわけではない。このことは、なぜバイナンスでは沢山のICOが上場されており、可能な限り最も有望なプロジェクトを明らかにしようとしているか、という理由の一部となっている。

 弊社はICOの導入を促進している。私はICO賛成派だ。弊社はICOを行っている他の会社を助けている。もちろん、全てのプロジェクトではなく、良いプロジェクトを助けている。悪い市場参加者というのはいるが、それは単に悪人というだけだ。

マルタでの新拠点

 バイナンスは最近、マルタに新しい拠点を構えた。彼らはCTに対し、マルタで法人格を取得し、銀行口座を解説したことを明かした。

 CZ:弊社はマルタで法人格を取得中であり、銀行口座は既に開設している。このことはとても重要なことだ。マルタでの状況はとても順調だ。弊社はまた、伝統的な株式の取引所であるマルタの証券取引所と、何らかの提携を行うことについて話を進めている。詳細はまだ明かすことができないが、しかし話し合いの結果、幾らかの提携が行われることになるだろうと私は考えている。マルタでの状況はとても順調なのだ。

CZはまた、マルタは急速に仮想通貨の導入とブロックチェーン開発のためのハブになりつつあると考えている。

 CZ:私がバイナンスがマルタに移ると実際に発表した日である3月23日以来、マルタは既にブロックチェーンの島になったのだと私は考えている。マルタは仕事をするにあたって一流の場所となった。少なくともブロックチェーン会社にとっては、向かうべき一流の場所の1つとなったのだ。マルタではそれこそ数ダースの会社が既に設立されている。政府と規制当局は非常に歓迎してくれており、とても理性的だ。なので、私は既にマルタは会社を設立するにあたって最善の場所の1つであると考えている。

ブロックチェーンにより動く国家という夢

 ブロックチェーンにより動く国家というアイディアは魅力的に聞こえるが、CZはこのような試みにおける事業計画は、思われているよりも余程複雑な物であると語っている。

 CZ:私はそれがもちろん可能だとは思うが、簡単なことではない。国家の設立は簡単に達成できる物ではない。会社の設立は最も難易度が低い部類に入る。新しい国家を作り、あらゆる対外事務をこなすのは大仕事である。法制度を作り、コミュニティサービスを作り、さらに公共サービス制度、教育機関、病院、道路など、とにかくやることが多く存在する。ほとんどの人はこのコンセプトについて考える際、とても記号的で、理想主義的な光景について考えるのだと思う。バイナンスか私が島を既に購入したという噂が広まった際、トロンのジャスティン・サンすらも「なあ、あれって本当か?」と私に聞いてきた。他にも多くの有名人が私に質問してきた。そのことは、人々がこのコンセプトに真剣に関心を持っており、また考えていることも示している。けれども今の所、私はそれを実行する予定はない。余りにも大仕事だからだ。

バイナンスは次に何を行う?

 バイナンスの創設者兼CEOは、バイナンスの今後について少しだけ明かしてくれた。

 CZ:現在、弊社では分散型取引所であるバイナンス・チェーンに取り組んでいる。これは私達にとって非常に優先度が高い。大きなプロジェクトであり、作業は進んでいる。私達は法定通貨と仮想通貨を取引する取引所をマルタと、それとウガンダでも設立しており、アジアでも設立したいと考えている。弊社では法定通貨の取引所の設立を行っており、現在その作業が進んでいる。いつ完成し、運営されるようになるかは正確には分からない。けれどもできれば今年中に行いたい。

 それら以外だと、弊社では丁度自分たちのサービス全てを仕上げ、弊社のサービスヘルプデスクを改善し、システムを改善し、より多くの仮想通貨を上場させた。弊社ではしばらくの間、仮想通貨の上場を意図的に遅らせてきた。これは主に、他の人々や他の取引所が追いつけるようにするためだ。しかしそろそろ、促進するのを再開することになるだろう。

今年の仮想通貨に動向について

CZは価格予測は全く行わなかったが、仮想通貨市場は今後数ヶ月、数年の内により安定し始めるだろうと考えている。

 CZ:私は通常、予測は行わない。なぜなら私が予測を行うといつも外れるからだ。けれども歴史的に見ると、価格は99%の期間中、歴史的な高値よりは若干下に位置していた。ビットコインを見てみると、今のところ、最高値は2万ドルだ。しかしそれよりも2~3年前を見てみると、ビットコインの価格は1000ドルぐらいだった。ビットコインの価格は上昇し、少し下がり、その後はそこで落ち着いている。

 最高値に達したあと下落するのは市場の動きとしては全く普通のことだ。市場はいつも過剰反応する。最高値に向かう動きについてはそこまで気にしなくても良いと私は思う。しかし現状の安定した価格を見てみると、1年前のビットコインの価格に比べて未だに数倍高いのではないだろうか?

 毎日最高値が更新されることはないのだから、最高値といつも比較するのではなく、年単位のスパンで見てみればどうだろうか。ビットコインの価格が一直線に上がることはない。市場はそんな風には動かない。市場はいつも過剰反応する。私はビットコインの価格についてはとても安心している。もし私が過去の時点で何か予測をするのであれば、私はビットコインの価格は今後数年間、一年ごとに数百パーセント値上がりし続けると言っただろう。