フランスの中央銀行であるフランス銀行のフランソワ・ビルロワドガロー総裁は29日、パリで開かれた国際金融フォーラムで講演し、「欧州は仮想通貨規制を優先すべきである」と述べ、仮想通貨によって通貨主権が脅かされるリスクがあると警告した。
ビルロワドガロー総裁は欧州連合が仮想通貨を規制するには「1〜2年しか残されていない」と考えていると述べた。規制を行わなければ、ユーロの弱体化につながると危機感を募らせた。
「緊急性を強調しなければいけない。我々には1年、2年の時間しか残されていない。デジタル通貨と決済の双方で、欧州は可能な限り迅速に対応する必要がある」
同氏は仮想通貨が欧州での存在感が大きくなっていることを踏まえ、「今後数カ月で規制枠組みを採用する」ことを呼びかけた。パンデミックの最初の数ヶ月間、現金の使用は減少したが、この傾向は 「中央銀行通貨の使用の限界」につながる可能性があると述べた。
ビルロワドガロー総裁はこれまでにもステーブルコインのリスクについて規制当局に警告を促してきた。2020年9月には民間主導のグローバルステーブルコインはEUの通貨主権に影響を及ぼすと発言した。