ウェーブス・エンタープライズ(Waves Enterprise)がブロックチェーンを活用した企業向けのオンライン投票プラットフォーム「Voting」をローンチした。現在同社は一般公開のベータ版テストを行っている。
5月28日に公開されたウェーブスの公式発表によれば、今回の新サービスは「ブロックチェーン技術のあらゆる利点を活用しながらも、従来の投票ルールとプロセスを保持すること」を目標としているという。
オンライン投票においてデータ保護と透明性を確保できるのは分散型ネットワークによるソリューションのみだ、とウェーブスの最高製品責任者を務めるアーテム・カリコフ氏はコインテレグラフに語った。
「投票プロトコルの参加者として機能するそれぞれ独立した暗号化サーバー間のデータ交換のためのトラストレスな環境をブロックチェーンによって提供する。投票の結果は暗号化アルゴリズムによって保護される。ブロックチェーン技術を使えば票の偽造や窃盗は起こらない」
Votingのブロックチェーンのアーキテクチャはプルーフ・オブ・ステークとプルーフ・オブ・オーソリティによる合意アルゴリズムを基盤としており、これにより「1秒間で最大1000件のリクエスト」を処理できるという。
株主投票を行ったり、従業員による社内での極秘の投票に関心のある企業には、オンライン投票プラットフォームは関連性があるとカリコフ氏は述べた。カリコフ氏によれば、Votingは特定の業界に限らず、銀行、製造企業、巨大IT企業、石油・ガス企業、および医療機関の要求にも応じられるという。
「あるロシアの石油・ガス企業が社内でのニーズから電子投票サービスの利用に興味を持っている」とカリコフ氏は付け加えた。
この投票プラットフォームは公開ベータ版テストの間は無料で利用できる。テスト期間は最大で2か月間続くものとみられている。本格的なソリューションの費用は、ブロックチェーンネットワーク内の端末の数、暗号化サーバーの量、その他の要素などに鑑みて、各顧客によって異なったものになるという。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン