米国小売大手のウォルマートがブロックチェーンを使って大腸菌対策に乗り出した。

ウォールマートと同業者のサムズクラブは24日、レタスの供給業者に対してブロックチェーン上にデータをアップロードするように求めた。ブロックチェーンを使うことで供給ラインの透明化をはかり、食の安全の向上に役立てる。

24日にウォルマートが発表したプレスリリースによると、今年、ロメインレタスによる大腸菌が急増。卵や朝食用のシリアルからもサルモネラ菌がみつかるなど、食の安全が脅かされているという。ブロックチェーンに情報を保管することで、理論的に供給業者はどの農場が感染したかを把握し、すぐにレストランや消費者への提供を止めることができるという。これまでその過程には「数日」かかっていたが、ブロックチェーンを使えば「数秒」ですむようになるそうだ。来年の9月30日までにシステムの立ち上げを行う予定だ。

CNBCによると、ウォルマートはIBMのフード・トラスト・ブロックチェーンの開発を主導。過去18ヶ月マンゴーからチキンまで全ての食品をテストしてきたという。

ブロックチェーンを使った食品管理の事例は増えている。21日にはオランダ最大のスーパーマーケットチェーン「アルバート・ハイン」は、オレンジジュースの生産チェーンを透明化するために、ブロックチェーンの利用を計画していることを明らかにした