米ヘッジファンドを揺るがした、投稿型ソーシャルメディア「レディット(Reddit)」のコミュニティ板「r/Wallstreetbets」が起こした騒動が映画化されることが分かった。
デッドラインの1月31日の報道によると、Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグを描いた「ソーシャル・ネットワーク」の著者ベン・メズリックが脚本を提案し、ハリウッドの大手スタジオが入札、最終的にメトロ・ゴールドウィン・メイヤーが制作することに決定したという。
映画は「ソーシャル・ネットワーク」の映画プロデューサーを務めたマイケル・デ・ルカ氏が製作陣に加わる。
映画の詳細については公表されていいないが、r/Wallstreetbetsが起こした「ショートスクイーズ」に焦点が当てられるのではないかと期待されている。
映画には仮想通貨取引所ジェミナイの共同創業者であるキャメロン・ウィンクルボス氏とタイラー・ウィンクルボス氏の両兄弟が登場することも分かっている。
r/Wallstreetbetsを巡っては、アマチュアである個人投資家が「ショートスクイーズ」を使ってプロであるヘッジファンドを打ち負かしたことで大きな話題を呼んだ。大手ヘッジファンドが、米ゲーム販売大手のゲームストップ株をショート(空売り)していることに気づいたレディットのユーザーが集団で買いに走り、価格を吊り上げたためだ。
その結果、1月にGME株が2600%以上上昇し、ヘッジファンドが数百億ドルの損失を被ることになった。米ヘッジファンドの一つであるメルビン・キャピタルは1月に53%の損失を計上。投資ポートフォリオを再構築するはめになり、個人の集団がプロを打ち負かした結果が示された。
メディア消費がテレビからインターネットのストリーミングに移行したことで、ゲームストップはすでに死んだブランドとして認知されていたが、レディットユーザーによって急騰したことは驚きをもって市場で迎えられた。ゲームストップ以外にもAMCやノキア、ブラックベリー、ベッド・バス・アンド・ビヨンドなど多くの低迷企業が復活した。
ショートスクイーズの影響で、多くの取引アプリはゲームストップ株などの購入を停止。ミレニアル世代に人気が急騰しているロビンフッドは、レディットユーザーや政治家から批判が殺到した。ロビンフッドのオーダーフローの売り先にはメルビン・キャピタル運営のシタデルが入っていたためだ。
米証券取引委員会(SEC)はこれ以来、ゲームストップの今回の騒動について、ロビンフッド側を調査するとしている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン