ウォール街の投資会社、サスケハナ社は、半導体企業AMDの格付けを中立からマイナスに変更し、GPUを製造するエヌビディアの株価予想も引き下げた。ビットメインが開発しているイーサリアムマイニング用のASIC(特定用途向け集積回路)との競争激化を考慮したためだ。CNBCが26日に報じた

 サスケハナのアナリスト、クリストファー・ローランド氏は、ビットメインが18年第2四半期にイーサリアムマイニング用のASICを出荷する予定であるとクライアント向けのレポートで書いた。同氏は、「ビットメインは世界最大のASICベンダーとなるだろう(すでにビットコイン用ASICでは70~80%のシェア)。ビットメインは世界で初めてイーサリアム用ASICを出荷するが、我々の調査では、ほかにも少なくとも3つの企業がイーサリアム用ASICを開発している」と述べている。

 イーサリアムマイニング用ASICの優位性は、AMDとエヌビディアに悪影響を及ぼすだろう。ローランド氏によれば、これらの企業では、イーサリアムマイニング用GPUは企業収益の10~20%を占める。

 AMDの株価の予想値は7.5ドルで、13ドルから低下した。エヌビディアの株価は200ドルで、金曜の市場終値215ドルよりも低い。ローランド氏は「エヌビディアは中立的な評価を維持する。同社は、イーサリアム関連の逆風があっても、より強く堅牢なゲーム向けのフランチャイズを持っているからだ」と述べている。

 今年2月に発表された調査レポートによると、創業わずか4年のビットメインの17年の利益は30~40億ドル程度とみられ、創業24年のエヌビディアと同じ規模にまで成長している。