このほどボイジャーデジタルが破産を申請した際、同社は再建計画が顧客資産を保存することを目的としていると述べたが、影響を受けたユーザーにすべての同等の資金を返すことは難しそうだ。

ボイジャーデジタルは11日、スリーアローズキャピタル(3AC)への貸し出し分6億5000万ドルに加え、影響を受けたユーザーの資金がおよそ13億ドルあると明らかにした。ボイジャーの再建計画案によると、ユーザーはボイジャートークン、仮想通貨、「新たに再建された会社の普通株式」、スリーアローズキャピタルとのあらゆる手続きからの資金を組み合わせて受け取ることになるという。

「正確な数字は、再建プロセスと3AC資産の回収に依存する」と、完全に顧客資産が返却できるかは現在のところ未定だ。「計画は、変更、顧客との交渉、そして最終的には投票の対象となる。(中略)我々は、顧客の資産を維持し、価値を最大化するための最善の機会を提供する再構築計画をまとめた」とした。

仮想通貨に加えて、ボイジャーは、ニューヨークのメトロポリタン・コマーシャル・バンクのFDIC被保険特別口座に「顧客口座の米ドルの量に等しい」資金を保持していると明らかにした。ただし、FDICの保護は、貸金業者ではなく銀行が破綻した場合に、顧客1人あたり25万ドルまで保証するものだ。ボイジャーは、和解と詐欺防止プロセスを経て、「米ドル預金へのアクセスを回復するために働いている」と付け加えた。

ボイジャーは6月27日に3ACに対して債務不履行の通知を出し、その後、取引、預金、引き出し、ポイント還元を停止した理由の1つとして、3ACの債務不履行を挙げている。また、アラメダ・リサーチから15,000BTC(当時約5億ドル)を借り入れたことを発表し、この資金は3ACによる損失をカバーするためのものになるという。

ボイジャーが3ACの返済で模索している法的解決策に加え、同社は「第三者による投資や売却と比較して、単体企業の価値を評価するための様々な戦略的選択肢を追求している」と述べている。TradingViewのデータによると、同社の株価は2021年11月の年初来高値20.35ドルから98%以上下落し、記事公開時点ではおよそ0.27ドルに達している。