ブロックチェーン等のテクノロジーは何のためにあるのか。人間意識にどういった影響をもたらしていくのか。

仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリンは世界中の思想リーダーたちと深い思索を続けているようだ。

4月25日、ヴィタリックはスイスに本拠を置く「リステート財団」、そしてインドの「イーシャ財団」の創設者であるインドの神秘家サドグル氏との対談を開催した。対談のテーマは、テクノロジーと人間の意識の交差点についてだ。

reState Foundation, Sadhguru and Vitalik Buterin in conversation. Source: YouTube, reState Foundation

ヴィタリックはまずブロックチェーン技術の核心は「人間同士の連携と相互作用(インターアクション)」だと指摘。「ブロックチェーンは異なるグループの人々が信頼し合い、さまざまなプロジェクトでより広範囲に協力できるようにするものだ」。

インドのサドグル氏は、テクノロジーの進化速度と人間の倫理や意識の発展速度との間に、後者が取り残される形で大きなギャップがあると語った。

ヴィタリックはまた、テクノロジーは人々にお互いの複雑なアイデンティティを認識し、共通の基盤で繋がることを容易にすると語った。「結局のところすべてのテクノロジーは元来一定の社会性をもっている」。

彼はまたブロックチェーンはすべての問題を解決するわけではないが、人間同士の協力と学びにつながる可能性があると述べた。「これがイーサリアムや関連コミュニティの多くの人々が本当に関心を持っている考えだ」。

サドグル氏はこれに対して「テクノロジーは人間が単に創造するものではなく、私たちの意識の延長線上にある。意識を高めることによって自動的にテクノロジーも追随する」と呼応。ブロックチェーンのような技術の適切な使用が、人間意識の向上を促す鍵であることを指摘した。

思想家ともいえるヴィタリックが繰り返し示唆するのは、テクノロジーとは異なった人間同士が共通の基盤で繋がることを可能にするということだった。

AIや仮想通貨の悪用が懸念される今日、ヴィタリックが語るように「新しいかたちの人と人とのつながり」を軸にテクノロジーを開発し使っていくことが大事なのかもしれない。