ブロックチェーン使ったバーチャルクリニック 重大疾患の治療に希望もたらすか

 ヘルスケア関連のある企業がブロックチェーンをベースにした生態システムをローンチしている。命に関わる慢性疾患の患者を支える仕組みを築くのが狙いだ。

 トラステッドヘルスのプラットフォームでは、患者は、世界の反対側からでも、その病状を専門とする医者から素早く助言を受けることができる。つまり、ブロックチェーンのテクノロジーによって、患者データを安全に管理する方法が改善され、ヘルスケア従事者らは迅速に情報交換できるようになるのだ。

 さらにこの企業は、セカンドオピニオンをより求めやすくすることを目指している。『臨床実践評論ジャーナル』に発表された調査によると、マヨ・クリニックの事例では、セカンドオピニオンを求めた患者のうち、実に88パーセントもの患者が、初診より正確な、あるいは初診とは完全に異なる診断を受けたとある。

 正しい情報を早期に入手すれば、患者は余計で不要な手続きから解放されるだけでなく、命さえ救われるかもしれない。

 今年2月、トラステッドヘルスは世界保健機関(WHO)のジュネーブ本部にて、そのプロジェクトを発表した。それ以降、彼らは、世界保健機関がその使命をさらに果たす為に、このプラットフォームがいかに役立つかという議論を重ねてきた。

ヘルスケア産業の問題を治す

 トラステッドヘルスのグレッグ・ジャルザベックCEOは、あまりに高い誤診率のせいもあって「既存のヘルスケア産業は信頼されていない」という。適切な医療専門家が、いつでも一箇所に集中しているわけではない。その為に、患者は正しく診断できる医者を求めて悪戦苦闘を強いられている。

 ジャルザベックを行動へと駆り立てた動機の背景には、こうした非効率性に実際に遭遇してきた彼自身の経験がある。彼は『コインテレグラフ』のインタビューにこう応じた。「数年前、膵臓癌で母を亡くしました。亡くなる前の数ヶ月間、一番正確な診断と効果的な治療法を求めて世界中を飛び回りました。そして気がついたのです。今、医療専門家たちは、あまりにもバラバラの場所にいるということに。」

 彼の会社のゴールは、患者とその家族が、治療プランを改善しようとするときに、所在地、時間、費用面で心配する必要がないようにすることだ。そうすれば、彼らは、治療プランをコントロールできることを実感でき、大事なことに集中できる。

既存のプラットフォーム上に構築

 トラステッドヘルスは、トラステッドドクターと統合される予定だ。トラステッドドクターは、患者と、専門の医者をつなげることに特化した既存のバーチャル・プラットフォームだ。現時点では、脳、肺、前立腺癌の患者専用となっているが、18年始めからは乳癌、脊椎関係の患者の支援も計画している。

 同社の最高医療責任者フィリップ・シャクト氏は「患者は脳腫瘍といった一般的病名診断だけではなく、特別な治療プランを要する疾患のサブセットの問題も診断しもらえるようになる」と説明した。

 現在、トラステッドドクターでは世界中の80の医者から構成されるネットワークにより、250の患者らが適切な治療法を入手している。また16人の患者からなる組織とパートナーシップを築く一方で、イギリス、スイス、フランス、アメリカを拠点とする6つの病院ともバーチャル医療試験を実施してきた。また、医者らは世界中40以上の病院との安全性の高いオンライン・コミュニケーションのシステムを活用している。

 「ペイシェントリンク」を利用すれば、患者らは、自らの健康状態や医療記録の詳細を含んだ安全性の高いプロフィールを作ることができる。また、地理的に離れている自らが選んだ専門家に、そうしたデータを見てもらい、診断してもらうことも可能になる。

広がり続ける可能性

 トラステッドヘルスは「トラステッドヘルスの開始により、トラステッドドクターの成功はさらに拡大し、ブロックチェーンのテクノロジーからより多くの成果が期待できる」と主張する。

 今後の2年間で、トラステッドヘルスは同プラットフォームに新たに450人以上の専門家を招き、さらに20の新しい病状の患者らについても支援する計画だ。また今後、患者らはトラステッドヘルスで、どんな病気が支援されるべきかについて提案したり、投票したりできるようになるという。

 トラステッドヘルスによると、ブロックチェーンをベースにしたプラットフォームのおかげで、治療センターや保険会社は患者の罹患情報等を安全性の低い隔離されたデータベースを通さずにセキュアに共有しやすくなる。こうした劇的な進歩は、医療研究における変革を引き起こすことにもつながり、将来、命に関わる疾患についての治療法をより良いものへと導くことになるという。

 そんな生態系を支えているのは、TDHトークン、すなわち「ヘルスケアの共通通貨」だ。患者は、この通貨を医者への支払いに使用できる。さらに、このトークンを持つ専門家らは研究用の匿名データにアクセスできる。また、トラステッドヘルスは、治療費を賄えない患者らに収益の一部を給付することも検討している。

主流になるか

 トラステッドヘルスのビジョンは、ずばり「ヘルスケアに特化したフェイスブックとリンクトイン」になることだ。

 トラステッドヘルスのTDHトークン、その30パーセントのボーナス付き先行発売は、一般発売の一週間前、中央ヨーロッパ時間の3月20日正午に開始する。トラステッドヘルス曰く、宣伝していなかったにも関わらず、プライベートセールは完売だったという。

 

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