ベテラン商品トレーダーで仮想通貨研究機関コインシェアーズ創業者のラッセル・ニュートン氏が、金や銀、原油などの商品と仮想通貨の類似性が日を追うごとに高まっているという見解を示した

3つのD

ニュートン氏は、とりわけ、ビットコインの発行枚数に上限があることが金や銀と似ているほか、商品投資で成功の鍵を握る3つのDが今日の仮想通貨にもみられると述べた。

Demand(需要)

投機以外に仮想通貨の実用性に対する需要の高まりが見られる。

Depletion(枯渇)

ビットコインの半減期のように、定期的に枯渇が起きる

Dollar(ドル)

2008年の金融危機、その後の量的緩和などの金融政策、現在の米中でのミニ通貨戦争で、ドルのような法定通貨に対する信用が失墜している。

その他の類似性

ニュートン氏によると、現在、多くの投資家は金や原油の現物を購入するのではなく先物など金融商品を利用しており、それが商品市場の成長につながった。

投資家は、現物の持ち運びなどに悩まされることなく、「摩擦なし」でその資産価格にのみ集中することを好む。

ニュートン氏は、かつての商品市場のように現在の仮想通貨市場で「摩擦」を嫌う機関投資家に対する環境整備が行われているとみている。

(出典:Bloomberg via Russel Newton「金の取引量(緑が先物、黄が現物」と「原油の取引量(緑が先物、青が現物)」)

さらにニュートン氏は、何を通して商品に投資をするかでかつては混乱があり、アルトコイン市場と似ていると述べた。

例えば、原油。石油会社や採掘業者の株式を買う場合、オペレーション上のリスクや環境問題に関する政策など原油とは関係ない要素がリスクとして絡むことから、株価が原油価格と連動するとは完全には言えない。しかし、かつての商品投資家は、商品自体に直接アクセスできることの重要性に必ずしも気づいていなかったという。

ニュートン氏は、石油会社や採掘業者の株式とアルトコインは同じように動いていると指摘した。

その上で同氏は、最終的に重要なのは、プロジェクトが「ブロックチェーンで動いてるか」ではなく、「(問題解決で)機能するか」だと主張。インターネットが「CP/IP & HTTPS」で動いていることを気にする人はいないと付け加えた。