ベネズエラの中央銀行はインフレの激化を受け、通貨の単位からゼロを6つ削減するデノミを行うとともに、10月に中央銀行デジタル通貨を立ち上げる。

ベネズエラ中央銀行の8月6日の発表によると、10月1日からデジタルボリバルが流通し始める(ボリバルはベネズエラの法定通貨)。

このCBDCには、ユーザー間の送金や決済を可能にするSMSベースの交換システムが伴う。CBDC発行と通貨のデノミはボリバルの価値に影響を与えず、通貨の使用を簡素化するための動きだと、中央銀行は主張している。

ベネズエラのマドゥロ大統領は、今年2月に経済再建の方策の1つとしてデジタルボリバルのアイデアについて触れていた

以前、ベネズエラは米国の制裁を回避するためのツールとして、2018年に石油を裏付けとするデジタル通貨「ペトロ」を発行したことがある。

ベネズエラがデノミを行ったのは過去3年で2回目となる。2018年には5つのゼロを削減するデノミを実施している。ベネズエラのインフレは深刻で、2020年のインフレ率は年2300%と推定されている。

今回のデノミについて、エコノミストのルイス・ビセンテ・レオン氏は、ブルームバーグの記事の中でこの動きを批判している。この新たなデノミをしても、問題は何も解決されないだろうと述べている。

「これらのゼロを削除したからといって、問題の根本原因は何も解決されることはない。問題を解決しなければ、数か月以内に同じ問題が起こるだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン