ベネズエラの住宅・居住区省の大臣であるイルデマロ・ヴィジャロエル氏が、「Gran Misión Vivienda」(偉大なる住居作戦)プロジェクトの一角を成すあらゆる国営住居や地域において、仮想通貨マイニングの実施を禁止すると発表した。

仮想通貨に関連するいかなる類の機器はその「高い消費電力」および広範な「政府の電力供給政策への違反」のために公営住宅において禁止されると、7月15日に開かれた会見でヴィジャロエル氏は述べた

ヴィジャロエル氏は次のようにも述べている。

「この組織的事業において、偉大なる住居作戦の公営住宅でこうした高い電力需要の要因となるものによる悪影響があることを私たちは突き止めた」

偉大なる住居作戦とは、COVID-19の登場以前よりベネズエラがすでに直面している長期的な経済危機の渦中で、低所得の国民に住居を提供するために政府が行っている計画である。

「地域の電力供給に悪影響」

仮想通貨マイニングの活動はあらゆる地域で電力供給の分配に悪影響を及ぼしうるとヴィジャロエル氏は述べている。しかし、こうした処置に反対する者たちは、主にソーシャルメディア上で、ベネズエラは地域の電力供給システムの改善に関して怠慢だったと指摘している。「グリ」水力発電ダムの不良の結果として19年に起きた国家的な停電の後に電力供給の問題は広く知られることとなった。

最近でもプエトロ・オルダスのベネズエラ国家警備隊がビットメイン製の315台のビットコイン用マイニング機器を押収している。マイニング機器の所有者たちは機器の所有と運用に必要な許可を所持していないと言われたという。

ベネズエラでは仮想通貨のマイニングは合法とされているが、マイニングマシンの保有には「国家暗号及び関連活動管理局(Sunacrip)」の許可が必要となっている。

現地メディアの報道によると、押収されたのは古い型の「アントマイナー(Antminer) S9」だった。S9は現在、100ドルから250ドルで入手が可能で、今回の押収総額は約79000ドル(約848万円)になるとしている。

ベネズエラでの仮想通貨受容

ベネズエラでは政府発行の仮想通貨「ペトロ」が発行されているほか、ビットコインやダッシュ(DASH)といった仮想通貨が広く普及している。

今年2月の報道では、匿名通貨ダッシュ(DASH)の需要が増えている。ダッシュの広報を務めるマーク・マーソン氏はベネズエラでダッシュのウォレットアプリ(アンドロイド版)を利用しているアクティブユーザーが昨年5月から1月までで7倍以上増加したことを明らかにした。

6月の報道では、全国のガソリンスタンドでの支払いの約15%が同国が発行した仮想通貨(暗号資産)ペトロ(PTR)が使用されたとうい。これはベネズエラ政府がトークンの使用を促進するための新しい計画を発表した最初の週に発生した。現地メディアのUltimas Noticiasが11日に報じた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン