中国の電気自動車(EV)大手のBYD(比亜迪)が、VeChainなどと提携し、ブロックチェーンを活用したカーボンバンキング(炭素銀行)の取り組む。VeChainが5日、ブログで発表した。
今回のカーボンバンキングは、BYDやVeChain、リスクマネジメントを手掛けるDNV GLの3社によるプロジェクト。
このカーボンバンキングは、車両の運転パフォーマンスと炭素削減量に基づいて、各ドライバーにカーボンクレジット(排出量削減証明)を還元する仕組み。検知された二酸化炭素排出量は、VeChain Thorのブロックチェーン上に記録され、この取り組みに参加するクライアントにデータが送られる。企業側はプラットフォームにアクセスすることで、データの管理や共有、分析を行うことができる。
BYDは、このカーボンバンキングが二酸化炭素排出量の削減につながると同時に、車両データのプラットフォームにもなると期待する。
プラットフォームから、車両の燃費や破損状況、メンテナンス情報とおいったデータをまとめて管理し、一種のデータプロバイダともなる。車両の修理工場や販売店、さらに保険・金融事業者とデータを共有することで、より正確なサービスを提供できるという。
このシステムは既に完成しており、初期の一連の概念実証(PoC)を終えた段階で、今後本格的なシステムリリースに向けて取り組む。
BYDの自動車インテリジェント・エコロジカル研究所で代表を務めるシュー・ヨンシン(舒酉星)氏は、「この技術は、現行サービスの向上だけでなく、まったく新しいマーケットの創出にもつながる」と、カーボンバンキングの将来性に期待をのぞかせる。
VeChainは今週、中国の保険大手の中国人民保険(PICC)ともブロックチェーンの活用で提携を発表。中国の大手企業とパートナーシップ構築を積極化している。