ステーブルコイン発行企業テザーは、最大手のステーブルコインであるテザー(USDT)の準備資産が過去に中国企業が発行した有価証券を含んでいたとの報道に対し、長文の反論を発表した。
6月16日、ブルームバーグは、テザーが中国の国有企業が発行した有価証券を保有していたと報じた。ブルームバーグは、ニューヨーク州司法長官(NYAG)が公開した文書を引用し、USDTが中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行などが発行した有価証券を裏付け資産にしていたことを指摘した。
同日、テザーはこれらの報道に対して反論するブログ記事を掲載した。「ブルームバーグやコインデスクなどのメディアがこの情報を読者に提供する決定は、現在の事情や事実に対して注意が払われない状況で拙速に行われた可能性が高い」とテザーは述べている。テザーは「このような行為を容認しない」とし、顧客が最優先であると強調した。
また、メディアが入手した資料は2年以上の前のものであり、現在のテザーの状況を表すものではないと説明している。
さらに、テザーは、中国のコマーシャルペーパーへのエクスポージャーが流動性があり、発行者も安定していたと説明している。同社は、そのようなコマーシャルペーパーが世界最大の投資運用会社でも利用されていたとも述べた。「問題となっている中国の銀行関連コマーシャルペーパーは、A1またはそれ以上の格付けがされていた」と付け加えた。
加えて、昨年コマーシャルペーパーへのエクスポージャーをゼロに減らしたことも指摘した。テザーによれば、同社はいかなるコマーシャルペーパーでも損失を出していない。これには、中国企業が発行したコマーシャルペーパーも含まれるという。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン