ステーブルコインのエコシステムは変化しており、仮想通貨企業サークルが発行するUSDコイン(USDC)は、テザー(USDT)の支配に食い込もうとしている。
グラスノードの2月1日のレポートによると、取引所でのUSDCの額は1月だけで112%以上増加し、4億3100万ドルから9憶1500万ドル以上に増加した。
今年1月以来、およそ10億ドル相当の新しいUSDCが発行され、そのうち90%以上が集中型取引所に送られた。
グラスノードは1ヶ月で5億ドル相当のUSDCが取引所に流入することで、トレーダーがトークンを使って、仮想通貨市場での押し目買いに使われるのではないかと推測している。
「この数字は、押し目買いがすぐに行われる可能性を高め、強気のシグナルになるはずだ」と述べている。
2020年のはじめ以来、サークルのステーブルコインの供給量は5億ドル強から51億ドルと、900%以上の増加となった。
対照的に、テザーの供給量は同じ期間に約500%増加した。
流通量で3番目に大きいステーブルコインはMakerDAOのダイ(Dai)で、資本金は2020年1月の4000万ドルから16億ドルまで3800%以上の成長となっている。
バイナンスのステーブルコインでもあるBUSDも大幅な成長を遂げ、同期間に供給量が600%増加し、現在14億ドルにものぼっている。
コインメトリックスによると、USDCの成長がテザーの成長を上回っており、ステーブルコインの中でテザーのドミナンスは初めて75%を下回った。

テザーのステーブルコインの市場シェアの低下は、ニューヨーク州司法長官とテザーとの間の訴訟が続いていることも影響している可能性がある。テザーを裏付ける資金に対する不安が広まれば、トレーダー側でテザーの代替となるステーブルコインを利用する動きが広まるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン