中国での新型コロナウイルスは、中国国内の死者が170人、感染は7,711件に拡大。感染者数は、2002~03年に流行したSARS(重症急性呼吸症候群)を上回っており、1~3月期の世界経済への影響が懸念されている。NYダウは、一時244ドル安まで下げた。
そして、WHO(世界保健機関)はコロナウイルス感染について緊急事態宣言を発表。しかし、貿易や渡航制限は推奨しないとしており、テドロスWHO事務局長も「新型肺炎は脅威ではない、今は事実を確認するときだ。」と会見で述べたことで、株価指数には買い戻しが入った。NYダウは124.99ドル高の28,859.44ドルで引けている。
ドル円も108.58円まで下落したものの、WHOの緊急事態宣言を受けて買い戻しが入り、6時時点で108.88円まで戻している。
しかし、米10年債利回りは低下を続け、安値1.534%まで下落。一時は3カ月物国債の金利を下回り、景気後退の前兆とされる「逆イールド」が約3カ月ぶりに発生した。引き続き米10年債利回りには警戒が必要だ。
ドル円のテクニカル分析と相場見通し
今日のドル円予想レンジ
108.50~109.40円
米国10年債利回りのチャートは、以下の通り。
米10年債利回りは1.534%まで下落したが、1.59%近辺まで戻している。長い下ヒゲをつけたことや、RSIが売られ過ぎの目安とされる30を下回っていることから、反発局面となるだろう。しかし、下落トレンドは継続と判断している。
続いて、ドル円のチャートは以下の通り。
ドル円は108.58円まで下落。一時、雲の下限や100日移動平均線を下回ったが、109円近くまで戻している。ドル円も反発局面となりそうだ。上値のメドは20日移動平均線(109.40円)と見ている。
ただ、米10年債利回りの下落トレンドが続いているので、戻りは限定的だろう。