米国とベネズエラの対立が先鋭化している。米トランプ政権はこのほど、ベネズエラ政府の全資産の凍結を命令した。一方、ベネズエラでは仮想通貨ビットコインの取引が過去最高を更新。米政府の経済制裁強化により、今後ますます、ビットコインへの需要が強まる可能性がある。
「イランや北朝鮮と同等に」
AP通信の報道によれば、トランプ大統領は5日、ベネズエラ政権のすべての資産を凍結する大統領令を出した。米国内にあるすべてのベネズエラ政府の資産のほか、米国人が所有・管理するベネズエラ政府の資産も凍結する。AP通信は、これによりベネズエラが「キューバやイラン、北朝鮮などと同等の扱いになる」と指摘している。
米国政府は既に、ベネズエラの石油企業に対する制裁などを実施しているが、より締め付けが強化される。昨年3月には、ベネズエラ政府が発行する仮想通貨「ペトロ」について、米国民に購入を禁止する措置を行っている。
【関連記事:トランプ大統領、米国民に仮想通貨ペトロ購入を禁止】
ビットコイン取引量は過去最高更新
ベネズエラでの仮想通貨ビットコインの取引量は足元で急増している。ピアツーピアでビットコインを取引する「ローカルビットコインズ」における法定通貨ボリバルとビットコインの週次取引量は、8月3日時点で過去最高を更新した。7月20日にも過去最高を記録していたが、さらに取引量が増大している。
出典: coin.dance ベネズエラの法定通貨とビットコインとの週次取引量
ベネズエラでは、1000万%ともいわれるすさまじいインフレが発生しており、ビットコインはベネズエラ人にとって価値を保存する避難通貨としての役割を果たしているとみられる。
今回の米国とベネズエラの対立先鋭化に伴い、現地でのビットコイン需要はさらに上昇する可能性もあるだろう。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版