仮想通貨市場は過去3ヶ月にわたって低迷しているが、米国の仮想通貨マイニング企業は事業を拡大させ、ハッシュパワーを向上させようとしている。

米国のマラソンデジタル・ホールディングスとGEMマイニングはマイニング施設の装置の数を倍増させ、2022年に事業を拡大させるだろうと語っている。

マラソンデジタルのコーポレートコミュニケーション担当副社長のチャーリー・シューマッハ氏は2023年までに19万9000台の新しい装置を導入する計画であると、コインテレグラフに語った。

GMEマイニングのジョン・ウォーレンCEOも「2022年末までに3万2000台のマイナーをオンラインにする予定だ」とコインテレグラフへのメールの中で述べている。

マラソンデジタルの場合、これは現在の規模から6倍以上の拡大になる。またGMEの場合、この計画を実行すればその規模は2倍になる。

仮想通貨マイナーが事業を拡大する方針であることはやや意外な展開だ。先週末には多くのマイナーが現金準備を確保するためBTCを売却していると報道されるなど、マイナーの資金繰りへの懸念が浮上していた。マラソンデジタルは2月13日に最大7億5000万ドル相当の株式売却をSECに報告していた。

マラソンデジタルのシューマッハ氏は、同社が成長に向けての取り組みを模索していると強調。「資本市場を通じてより良い仕事をするポジションにある」と語った。「BTCの価格を管理することはできないが、市場への対応を管理することはできる」とも付け加えている。

GMEのウォーレン氏は同社ではこれまでにビットコインを売却していないと語り、事業拡大について楽観的な見通しを示している。

ウォーレン氏の楽観的な見通しを支えているのは、米国の各州で整備が進められている仮想通貨マイナーへの税制優遇措置もあるようだ。同氏は「マイニングに対する税制優遇措置は電力コストに影響を与え、GMEのような企業にとっては非常に有益だ」と語っている。

「電力はマイニングにとって最も重要な要素の1つであり、電力の販売・使用に関わる減税は経費削減やキャッシュフロー維持に役立つ」。

今後のビットコイン価格についてどうみているのか。シューマッハ氏は「仮想通貨の冬」になるかどうかについてはコメントしなかったが、「リスクを減らし、私たちがピボットできるようにする」ことに注力すると語った。

一方でウォーレン氏は「短期的に弱気なセンチメントに陥る可能性は高い」とコメントしたが、「短期的なボラティリティに関係なく、ビットコイン、そして仮想通貨の世界への投資は続くと予想している」と結論付けている。