ロンドン大学(UCL)のブロックチェーン技術センター(CBT)はウェブサイトで、IOTA(アイオータ)財団との関係を解消したと発表した。TNWが4月28日に伝えた。
CBTは、「オープンセキュリティー研究」に専念すると強調している。全文は以下の通り。
「UCLブロックチェーン技術センターは今後、IOTA財団とは無関係である。最近の報道に関連し、当センターはブロックチェーン技術がもたらす保証を理解するための必須条件として、オープンセキュリティー研究への支援を再確認する。セキュリティー研究者にとって、その研究結果の開示に対し訴訟の脅威にさらされることは、不適切である」
未確認ではあるが、CBTのほのめかす「最近の報道」とは、IOTA脆弱性レポートを巡る問題について言及したものであると思われる。当該レポートは、MITのデジタル通貨イニシアティブ(DCI)の一環として昨年9月に公表されたもので、ギットハブ上にあるIOTAのオープンソースレポジトリにおける脆弱性を指摘した。
これに対しIOTAは脆弱性を修正し、当初はCurlハッシュ関数が攻撃される可能性について否定しなかったが、そのような攻撃は複雑過ぎて実用的ではなく、ユーザーの資金に対する深刻なリスクはないと示唆した。
また、「訴訟の脅威」にさらされている研究者とは、昨年10月17日にリークされたある通信文で示唆された人物の可能性がある。この通信文は、IOTA財団とは独立して活動するIOTAの主席暗号研究者セルゲイ・イワンチェグロ氏が、研究者の1人に対し訴訟を起こすと脅していることを示しているような内容だ。
TNWの追加報道によれば、ロンドン大学はIOTAとの関係解消の決断に加え、CBTのウェブサイトからIOTAに関する全ての情報を削除したようだ。CBTのサイト上のIOTAのページは現在、404エラーが表示されるが、アーカイブされたページはまだ呼び出すことができる。コインテレグラフがコメントを求めたところ、CBTは以下の通り明らかにした。
「CBTはIOTA財団と提携していた訳ではない。そうではなく、IOTA財団は「UCL CBT産業連盟」のメンバーだった。すでにウェブサイトに投稿したことに関し、付け加えることは何もない。付け加えるとしたら単純に、UCL CBTはさらなる通知を行うまで、IOTA財団との関係を中断する、ということだ」
IOTA財団にもUCLの決定に関しコメントを求めたが、記事執筆時点で何も返答はない。