国連は、北朝鮮が仮想通貨取引所へのハッキングに関与しているとして非難している。

ロイターの報道によれば、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた報告書では、仮想通貨取引所へのハッキングと北朝鮮との関連を「強く示唆」しているという。

「攻撃ベクトルとその後の不正な収益をロンダリングしようとする動きを分析した結果、北朝鮮との関連が強く示唆される」と、報告書は指摘しているという。

ロイターによれば、国連の報告書は、北朝鮮が国連の制裁に違反して核開発のためにハッキングして盗み出した仮想通貨を使用したと非難している。

被害を受けた取引所に関する具体的な詳細については報告書自体には含まれていないが、ロイターは仮想通貨データ分析のホエールアラートのフランク・フォン・ヴェールト氏の見方を紹介している。ヴェールト氏は、北朝鮮によるハッキングは昨年9月のKuCoinのハッキングではないかと推測している。仮想通貨分析企業チェイナリシスはKuCoinから流出した資金は2億7500万ドルだと推定している。ちなみにKuCoinは流出した資金の80%を回収したと発表している。

またロイターによれば、国連の報告書では、攻撃者が分散型金融(DeFi)を悪用したとも指摘している。

「攻撃者は ”DeFi” プロトコル、つまり自動化された取引を容易にするスマートコントラクトを悪用した」

国連の専門家パネルは2019年の報告で、銀行や仮想通貨を標的とした「広範でますます洗練された」サイバー攻撃を通じて、合計20億ドルを生み出したと推定している。

また国連の報告書によれば、ある国連加盟国が2019年から2020年11月までの間に3億1630万ドル相当の仮想通貨を盗んだと指摘したという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン