国際連合はアフガニスタン政府の同国都市部における財産所有権管理を支援するブロックチェーン駆動型ソリューションを発表した。

12月2日の発表によると、国際連合人間居住計画(国連ハビタット)は2020年12月中にアフガニスタン都市開発・国土省に対して新しいデジタル土地登記ソリューションの提供を行う。

国連はまず2019年にアフガニスタンでの持続可能な都市開発を目的としたブロックチェーンプロジェクトを開始した。

現在、国連は新しいブロックチェーン対応のデジタル土地登記ツールを用いることで、アフガニスタン政府が都市部のインフォーマル居住地(あるいはスラムや貧民街と呼ばれる)に関する主要な課題、たとえば土地収奪、非効率な土地利用、インフォーマル居住による不安定な土地保有などに対処するのを支援したいと考えている。

国連によれば、アフガニスタンの都市にある不動産のうち80%以上が「自治体または国の機関に登録されておらず、居住者は正式な所有権を示す文書を所有していない」という。

「goLandRegistry」として知られる新システムはブロックチェーン上に全ての財産権書類を記録するとともに、占有証明書の発行も行えるように設計されている。報道によると、これによって財産所有者はオープンソースのブロックチェーン検証ツールを用いることで、占有証明書の真正性を単独で証明できるようになる。

このツールはヨーロッパのスタートアップ企業「LTO Network」が運営するハイブリッド・ブロックチェーン・プラットフォームをベースとしている。LTOのリック・シュミッツCEO は、ハイブリッド・ブロックチェーン・ソリューションは土地登記プロセスの利害関係者のあいだで最適化された分散型データ交換を可能とするうえ、高額なIT総点検の必要もないと述べている。

シュミッツCEOは次のように語った。「ライブコントラクトを用いることで、様々な利害関係者に対して、また土地登記の移転、税務の自動化、信用供与などを円滑化するシステムに対して、データを自動的に配信できるようになる」。

国連情報通信技術部(このプロジェクトの提携機関)で戦略的ソリューションの責任者を務めるマウリツィオ・ガッゾーラ氏は国連はデジタル土地登記ソリューションをさらに多くの国々に提供することを望んでいるとしたうえで、次のように述べた。

「LTO Network のブロックチェーンが有するプラグアンドプレイ設計と、アフガニスタン・プロジェクトのトランザクショントークンを購入していただいたことによって、ブロックチェーン・アンカリング機構の開発、さらに今ではあらゆる国が既存の土地登記システムにブロックチェーン・アドオンを追加するために活用可能となったオープンソース型所有権証明書検証ツールの開発が実現した」。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン