英国で流通する全ての通貨の製造を行う英国王立造幣局(ロイヤルミント)が、金備蓄を担保とした仮想通貨の発行を行うと発表した。

 同仮想通貨はロイヤルミントゴールド(RMG)と呼ばれ、造幣局の金庫に貯蔵されている金に対応して発行される。

 RMGの商業担当であるトム・コグヒル氏は英エクスプレスとの取材の中で、造幣局傘下の金販売会社ロイヤルミントブリヨン社が金を担保としたブロックチェーン上のデジタル資産を一般向けに販売する最初の会社となると述べた。同氏によると、1RMGコインは1グラムの金に相当し、「RMGを所有することは実物の金を所有していることになる」と説明した。

 ワールド ゴールド カウンシル(WGC)の最近のレポートは、ビットコイン人気が高まる中でも、金は価値貯蔵の方法として重要な投資先であり続けるだろうと断言している。

 RMGのコグヒル氏もビットコインへの投資は金への投資よりも不確実だとしている。

「金の強みはこれまで6000年にわたって価値保存の方法だったということ。ビットコインの歴史は短く、未来も不確実だ。」(コグヒル氏談)

 貴金属を担保とした仮想通貨を発行しようとしているのは英国だけではない。

 先週にも、オーストラリア最大の貴金属製錬会社であるパースミント社が貴金属を担保とした独自の仮想通貨の開発を目指す、と現地メディアが報道している。