米配車アプリのウーバーは28日、金融サービス部門「ウーバー・マネー(Uber Money)」を立ち上げると発表した。デビットカードや専用ウォレットアプリを展開。ウーバーとして金融事業に力を入れる方針だ。ウーバーは仮想通貨リブラの創設メンバーの1社でもある

デジタルウォレット「ウーバー・ウォレット」をスタートし、ウーバーのドライバーがお金の管理ができるようになる。今後数週間以内に、ウーバー・ドライバーアプリでの展開を開始し、ウーバーやウーバー・イーツのアプリでも展開する計画だ。

またデビッドカードやクレジットカードの展開も行う。これらのカードでウーバーのサービスを使えば、数%のキャッシュバックを受け取ることができる。

米経済メディアCNBCの報道によれば、ウーバー・マネーを率いるピーター・ハズルハースト氏は「世界中の400万人以上のドライバーや宅配担当者がモバイル銀行口座にアクセスして、乗車ごとの支払いを受けることができるようになる予定」だと述べている。

「私たちは、金融サービスに焦点を合わせ、金融サービスから排除された人々にサービスを提供するということをウーバーの新しいミッションとする」

ハズルハースト氏によれば、ウーバーの支払いの40%は現金で行われているが、ウーバーとしてはこの数字を引き下げたいとしている。

新興国でのウーバーのドライバーは銀行口座を持たない場合もあり、こういった人々が「金融サービスにアクセスできるように支援する」(ハズルハースト氏)という。

ウーバーはブラジルやインドといった国で、ドライバーに対してマイクロファイナンス(少額融資)の提供を既に行っている。こういった金融領域にも今後展開していく予定だ。

ウーバーは、フェイスブックが主導する仮想通貨リブラの発行体であるリブラ協会の創設メンバーの1つだ。今回の発表では、仮想通貨やデジタル通貨に関する言及はなかったが、将来的にリブラが発行されれば、ウーバーの金融事業との統合も行われる可能性があるだろう。