米SNS「Truth Social」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(TMTG)が、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を対象とするETF(上場投資信託)の設立を目指し、6月16日付で米証券取引委員会(SEC)にS-1登録届出書を提出した。
ETFは「Truth Socialビットコイン・イーサリアムETF」として申請されており、運用スポンサーは資産運用会社ヨークビル・アメリカ・デジタルが務める。
このETFの目的は、投資家に対してBTCとETHの両方へのエクスポージャー(投資機会)を提供することで、直接投資に伴う複雑さを排除することにある。ETFの保管業務は、Crypto.comの名称で事業を行うForis DAX Trust Companyが担当する。保有されるBTCおよびETHは、同社が信託の名義で管理する。
ティッカーや現金管理者は未定、NYSE Arcaへの上場を予定
申請書によると、ETFはニューヨーク証券取引所Arca(NYSE Arca)への上場を予定している。
Crypto.comが暗号資産の保管業者として正式に指定された一方で、ティッカー(銘柄コード)や現金管理者といった詳細はまだ確定していない。
Truth Socialは今後、Crypto.comとの主執行契約の概要を含む改訂版届出書を提出する予定としている。
SEC、TMTGのビットコイン準備金登録を承認
ETFの申請は、SECがTMTGによるビットコイン準備金計画を承認した直後に行われた。SECは6月14日、TMTGによる23億ドル規模のビットコイン取得登録を認可していた。
TMTGはこの登録に基づく証券の即時発行について、「現時点で発行の予定はない」とコメントしている。
TMTGは当初、ビットコインの取得報道を否定していたが、5月下旬に25億ドルの資金調達を行い、ビットコインの購入を公式に発表していた。
コインシェアーズもソラナ現物ETFを同日に申請
同日、資産運用会社コインシェアーズもSolana(ソラナ)を対象とした現物ETFのS-1登録届出書を提出した。コインシェアーズはすでに欧州で「CoinShares Physical Solana Staked ETP」を展開しており、今回の申請はそれに類似したETF商品を米国市場で立ち上げることを目的としている。
ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏によれば、SECには現在8件のソラナ現物ETF申請が提出されているという。
SECには現在、ソラナの現物ETFに関する申請が8件提出されている。14日までに提出を確認された企業は、フィデリティ、21シェアーズ、フランクリン・テンプルトン、グレースケール、ビットワイズ、カナリー・キャピタル、ヴァンエックの7社。
ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、これらの申請について「今週中に承認される可能性は低い」との見解を示している。