ドナルド・トランプ米大統領から商品先物取引委員会(CFTC)委員長に指名されたブライアン・クインテンツ氏が、Web3ソーシャルメディアプラットフォーム『Farcaster』で受諾を発表した。これは、規制当局が仮想通貨に対してより寛容な姿勢に変化したことを示唆する動きといえるだろう。
2月12日、現在Web3ベンチャー企業「a16z Crypto」で政策責任者を務めるクインテンツ氏は、CFTC委員長への指名を受諾することを表明した。CFTCは、米国証券取引委員会(SEC)に次ぐ主要な金融規制機関だ。
クインテンツ氏がFarcasterで発表したことは、仮想通貨に対して冷淡な姿勢を取ってきたバイデン政権下の米金融規制当局の方針から大きく転換する動きとなる。
バイデン政権下では、米金融規制当局が仮想通貨企業に対し、法的違反の疑いで100件以上の訴訟を提起していた。
「CFTCは、米国がブロックチェーン技術とイノベーションで世界をリードするために最適な立場にある」と、クインテンツ氏は2月12日のFarcaster投稿で述べた。また、X(旧Twitter)でも指名を発表している。
Source: David Hoffman
分散型ソーシャルメディア
2024年、a16zはFarcasterに1億5000万ドルの資金調達ラウンドを主導した。同プラットフォームは、主にWarpcastというクライアントを介して利用されており、デイリーアクティブユーザー数は約5万人に上る。
Farcasterはイーサリアム上に構築された分散型ソーシャルメディアプラットフォームであり、他のアプリケーションがその上で展開できる。主にWeb3コミュニティに利用されている。
「クインテンツ氏のニュースを受けて、DeFi資産は急騰するはずだ」と、資産運用企業ビットワイズの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は2月12日のX投稿で述べた。同氏は、クインテンツ氏を分散型金融(DeFi)の熱心な支持者と評している。
クインテンツ氏は、CFTC委員長に正式に就任するには、今後上院での公聴会に出席し、承認投票を経る必要がある。承認されれば、ロスティン・ベーナム氏の後任としてCFTCのトップに就任する。
クインテンツ氏は2021年、仮想通貨に友好的な予測市場「Kalshi」の取締役に就任した。同社はバイデン政権下でCFTCを提訴し、政治ベッティング契約の上場を認めさせた実績がある。クインテンツ氏は2022年にa16zの政策責任者としての役割をスタートさせた。
また、同氏は2017年8月から2021年9月まで、CFTCの共和党系コミッショナーを務めた経歴を持つ。
昨年12月には、トランプ氏が元SECコミッショナーのポール・アトキンス氏をSEC委員長に指名している。