次期FRB議長は仮想通貨フレンドリーなハセット氏？トランプ発言で予測市場の期待が急上昇

米国連邦準備制度理事会（FRB）の次期議長にケビン・ハセット氏が就任するとの予測が急上昇している。トランプ大統領がホワイトハウスのイベントでそれとなく示唆したことが背景にある。

トランプ氏は火曜日、来賓を紹介する場面でハセット氏を「潜在的なFRB議長」と呼び、こう述べた。

「素晴らしいメンバーだ。そして、おそらくFRB議長候補も来ている。候補だ。そう言っていいのかな？彼は尊敬されている人物だ、それだけは言える。ありがとう、ケビン」

報道によれば、その日の午前に開かれた閣議では、すでに候補が1人に絞られたと語っていたという。「10人ほど検討したが、今は1人に絞った」とトランプ氏は述べた。

ブロックチェーン型予測市場のカルシでは、ハセット氏が次期議長に指名される確率がトランプ氏の発言後に66%から85%へ急上昇。ポリマーケットでも同様の動きが見られた。

ハセット氏は2025年1月にトランプ氏により任命され、国家経済会議（NEC）の議長に就任。同氏はコインベース株を100万ドル相当保有し、デジタル資産ワーキンググループを統括するなど、仮想通貨に好意的な人物として知られる。

現在のパウエルFRB議長の任期は2026年5月に終わる。トランプ氏は大統領就任以来、パウエル氏に苛立ちを示してきた。11月末には「奴をクビにしたい……とんでもない無能だ」とまで発言している。

新たなFRB議長が仮想通貨に与える影響は？

ベッセント財務長官が新議長選定プロセスを主導している。同氏は先月、政府が求める人物像について「FRBには以前のように舞台裏で目立たないようにし、物事を落ち着かせ、国民のために働いてほしい」と述べていた。

FRBは仮想通貨規制を直接担ってはいないものの、金融政策を通じて市場心理に強い影響を与える。

金利の引き下げは一般に仮想通貨に追い風となる。ハセット氏はこれまでFRBの金利政策を「高すぎる」と批判してきたため、仮想通貨市場にとってはプラス材料になり得る。

また、FRBは銀行規制も管轄しているため、その姿勢次第では仮想通貨企業の銀行取引にも影響が及ぶ可能性がある。