国際決済銀行(BIS)の報告書によると、仮想通貨企業FTXとテラフォーム・ラボが崩壊した後の数日間、主要な仮想通貨取引所での取引活動が増加したという。

BISは20日に「クリプトショックと個人投資家の損失」というレポートを発表。2022年にビットコイン、イーサ、その他の通貨の価格が下落した一方で、コインベースとバイナンスを含むいくつかの取引所の日次アクティブユーザー数がテラとFTXの崩壊のニュースを受けて「著しく増加」したと報告した。BISは、当時ステーブルコインや他のトークンに投資を移すことで、「ユーザーが嵐を乗り切ろうとした」ことを示唆した。

Source: BIS

BISは、個人投資家が仮想通貨を購入しているデータから、取引所のクジラ(大口投資家)が「おそらく小口の保有者を犠牲にしてキャッシュアウトした」と報告。アナリストが仮想通貨投資アプリのダウンロード数を調べたところ、BTCが2万ドル以上のときにユーザーの約75%がアプリをダウンロードしており、各ユーザーが最初の月とその後の各月に100ドルのBTCを購入したと推測した。

「2015年8月から2022年12月にかけての主要な仮想通貨取引プラットフォームのデータから、(中略)ほぼすべての経済圏の仮想通貨アプリのユーザーの大半がビットコインの保有で損失を出したことを示している」とBISの報告書は指摘。「投資家は2022年12月までに431ドルを失ったことになり、アプリをダウンロードしてから投資した総資金900ドルのほぼ半分に相当する」と述べた。さらに次のように述べた。

「仮想通貨の崩壊は、個々の投資家に影響を与えたかもしれないが、より広いシステム上の総体的な影響は限定的であった」