ビットコイン(BTC)が20日に30,000ドルを下回る痛烈な下落は、流動性ソリューションを提供するアラメダ・リサーチにとって、「押し目買い」の絶好の機会となった。アラメダ・リサーチは仮想通貨デリバティブ取引所のFTXと同じサム・バンクマン・フリード氏が率いている。

アラメダ・リサーチでクオンツトレーダーを務めるサム・トラバッコ氏は、同社が価格下落時にビットコインを購入したことを20日に明らかにし、BTC/USDのロングという同社の戦略は、少なくとも3つの「回復」のきっかけから浮上したと付け加えた。すなわち、現在進行中のFUD(中国の取り締まりや、グレイスケール投資信託の大量売却解禁など)の終息の可能性、株式市場の回復、デリバティブ市場におけるロングの清算の弱さだ。

「私の見解では、これらすべてが(曖昧ではあるが)同様の方向性を示している」とトラバッコ氏は書いている。

「ニュースの影響は元に戻る傾向がある? 私は仮想通貨はもっと上昇すると予想する。株式市場が元に『戻った』? 私は仮想通貨はもっと反発すると予想する。清算の動きは通常、元に戻るか?同じ話だ。」

パニック売りは起きなかった?

この発言は、ビットコインが21日に30,000ドルを超えて緩やかに回復を試みたときに語られた。過去最高の9億ドルを調達したFTXで、ビットコインは31,669ドルの高値を記録した。その後、価格は小幅に下降したことで、市場のピーク付近では売り圧力が限られていることが示された。

一方、アヴァトレードのチーフマーケットアナリストであるナエーム・アスラム氏は、最近の弱気な見通しに対するビットコインの回復力を強調したが、以前は3万ドルを下回ると下落が強まると指摘していた。

「実際には、そのようなことは起こらなかった」と同氏はブルームバーグに語った。「ビットコインの価格は安定しており、パニック的な売りは見られなかった」

しかし、仮想通貨金融スタートアップのアンバーグループ米国責任者であるジェフリー・ワン氏は、慎重な見通しを示した。元モルガンスタンレーの幹部である同氏は、コインテレグラフに対し、ビットコインは引き続き世界的なリスクオンの影響下で取引されており、仮想通貨はさらなる損失を被る可能性があると述べた。

「比較的穏やかな値動きで、最近は短期的な投機や取引がやや衰えてきている。もっとボラティリティの高い動きが見られるようになれば、より多くのトレーダーが関心を示すようになるだろう。しかし、リスクの背景が弱いままであれば、価格をさらに押し下げる可能性がある」

Bitcoin's recovery lagged the Wall Street indexes despite falling in tandem earlier this week. Source: TradingView

オアンダのアメリカ大陸担当シニアマーケットアナリストのエドワード・モヤ氏も、最新のビットコインとウォール街の相関関係に否定的な見解を示した。同氏は、米国の株価指数が「パニック売りモード」に入ると、ビットコインも連動して下げることになると指摘する。

モヤ氏は21日のメモで「デジタルコインが30,000ドルのレベルを回復することが非常に重要であり、大幅な逸脱は大規模な反落につながる可能性がある」と書いている。
 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン