米ニューヨーク州南部地区連邦地裁(SDNY)の陪審は8月6日、仮想通貨ミキシングサービス「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」の共同創設者で開発者のローマン・ストーム被告に対し、無許可の送金業を運営した共謀の罪で有罪評決を下した。
裁判記録を報じたInner City Pressによると、有罪が確定したのは3件の訴因のうち1件。ストーム被告は最長5年の禁錮刑が科される可能性がある。
一方、マネーロンダリング共謀罪および対北朝鮮制裁違反の共謀罪については、陪審の全会一致が得られず、評決には至らなかった。
4日間にわたる評議の末、陪審団は一部の訴因で意見が分かれていると裁判所に報告し、キャサリン・ファイラ連邦判事は全会一致を目指すよう特別な指示を出していた。
検察側は、連邦捜査局(FBI)や内国歳入庁(IRS)の関係者、ハッカーらの証言を通じて、ストーム被告にはトルネードキャッシュのコードを改変し、犯罪利用を防止する能力があったにもかかわらず、それを怠ったと主張した。
これに対し弁護側は、イーサリアムのコア開発者プレストン・ヴァン・ルーン氏や、ブロックチェーン分析企業NAXOの共同創設者マシュー・エドマン氏などの専門家を証人として擁立した。
ストーム被告は2023年8月、マネーロンダリング、無許可の送金業運営の共謀、対北朝鮮制裁違反の共謀の3件で起訴され、無罪を主張。起訴後は保釈され、裁判に出廷していた。
実刑判決の可能性は?
ファイラ判事は審理中、仮想通貨関連の他の重大事件にも留意していると述べていた。具体的には、元FTX最高経営責任者(CEO)のサム・バンクマン=フリード被告、元オープンシーでプロダクトマネージャーを務めたネイサン・チャスティン被告、ワンコイン共同創設者のカール・グリーンウッド被告など、いずれも同じSDNYで審理され、実刑判決を受けている。
ストーム被告の量刑言い渡し日はまだ確定していない。被告は裁判を通じて一貫して無罪を主張している。
支援者らは、ストーム被告の弁護資金として300万ドル以上を拠出。主要な寄付者には、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏、パラダイム創設者のマット・フアン氏、イーサリアム財団などが含まれている。
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