私鉄を中心に電車やバスなどの公共交通機関で利用できるICカードのPASMO。

Suicaと並んで利用者数が多いことで有名だが、チャージの際にクレジットカードから入金することが可能だ。

今回はPASMOにチャージする際におすすめのクレジットカード7選を紹介している。

PASMOの特徴・概要

2007年にサービスが開始して以来、PASMOは私鉄を中心に多くのユーザーに利用されていた。

非接触ICチップの「Felica」を搭載しており、読み取り部分にタッチするだけで電車やバスに乗ることもできる。

JR東日本が運営している「Suica」との相互利用にも対応していて、首都圏を中心にSuicaと同様の機能や特典を利用することが可能だ。

PASMOを利用するメリット・デメリット

メリット

2013年以前には交通系ICカードは、関西圏なら「icoca」関東圏なら「Suica」「PASMO」という形で互換性がなかった。

現在は全国での相互利用サービスが開始しており、PASMOを含む10以上の交通系ICカードに相互対応しているため、全国の電車・バスで利用することができる。

また自動販売機や飲食店、コンビニなどでもスマート決済を利用できるため、カード1枚でモノを購入することが可能である。

デメリット

PASMOの弱点は、

Suicaより発行枚数が少ない

私鉄やバス会社しか定期券を発行できない という点。

Suicaの発行枚数約8000万枚であるのに対して、PASMOは約4000万枚ほどしか発行されていない。

つまりPASMOを利用しているユーザーは、全体の半分ほどの人しかいないので、あまり大きいシェアを占めているわけではないのだ。

また私鉄やバス会社しか定期券を発行することができないので、JRの窓口ではPASMOでの定期券発行ができない。

電車の場合は、東京メトロ・小田急線・京急線など、私鉄各線の鉄道会社でしか発行できない。

またバスの場合も、江ノ島バス・小田急バス・京王バス・東急バスなどのバス会社でしか発行できないので、注意が必要だろう。

PASMOの種類

PASMOにはカードを発行して利用するタイプの「カードタイプ」と、スマホにアプリを入れてかざして利用できるようにする「モバイルタイプ」の2種類が存在する。

カードタイプはサービス開始当初から変わらない、PASMOカードを券売機や窓口で発行して利用する。

通勤や通学など特定区間で利用するのであれば「定期券」を、特に決まった期間利用する予定がないのであれば無記名のカードを選ぶと良いだろう。

また2020年3月には、以前から対応が指摘されていたモバイル対応にも踏み切り、「モバイルPASMO」サービスもスタート。

スマホにPASMOアプリをダウンロードして利用するだけで、カードを持ち歩かなくても、簡単にPASMOが利用できる。

カードを持ち歩くのが面倒に感じるのであれば、モバイルPASMOを活用すると良いだろう。

PASMOのカードタイプには「一体型」と「単体型」2つのタイプがある

PASMOでカードタイプを利用するには、ICカード単体で利用する「単体型」と、クレジットカードにPASMO機能が付帯した「一体型」の2種類が存在する。

一般的に広く利用されているのが、ICカード単体で利用されている形式で、定期券など普段使いで利用することができる。

一方でクレジットカードとPASMOの機能が両方利用できるのが「一体型」のPASMOだ。

クレジットカード発行時に、PASMOの機能を付帯させることが可能で、持っているとクレカ決済もIC決済も両方可能になる。

カードを1枚持っているだけで、PASMOを使って公共交通機関を利用することも、クレカ機能で買い物をすることもできるのだ。

すべてを1枚にしてまとめて利用したいという場合は、一体型のPASMOを発行してみることをおすすめする。

ただ一体型PASMOの場合は、Apple Payに取り込むことができない仕様になっているため、注意が必要である。

PASMOのチャージ方法

PASMOは駅の券売機などでチャージが可能である他に、コンビニ大手3社の店頭レジや、バス車内での運賃機でもチャージすることが可能である。

またモバイルPASMOにクレジットカードを登録することで、クレカから入金することもできるので、おすすめできるだろう。

駅の券売機

カードタイプのPASMOを利用する人の中で、最も一般的なのが、PASMOを駅の券売機でチャージする方法であろう。

カードや定期券の差込口にPASMOを挿入してボタンを押すだけで、チャージされた状態のPASMOを受け取ることができる。

改札の出場時に残高不足だった場合も、チャージ機や精算機などで不足分をチャージ可能である。

コンビニなどの店舗

セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニでも現金を使ってPASMOにチャージすることができる。

店員にチャージ金額を伝えて、現金で支払ってからICカードリーダーにPASMOをタッチすれば、チャージが完了。

一部の店舗ではタッチパネル操作が必要なケースもあるので注意しよう。

バス

交通系電子マネーとして利用できるPASMOは、バスの車内でもチャージすることが可能である。

乗務員にPASMOをチャージしたい旨を伝えて、運賃気で現金チャージができるが、使えるのは千円札のみのケースが多いので注意が必要だ。

運賃支払い時に残高が不足している場合も、乗務員に伝えることで再度タッチして支払うことができる。

現金で差額を払うこともできるので、臨機応変に対応しよう。

クレジットカード(モバイルPASMO)

2020年の3月にモバイルPASMOがリリースされたことによって、クレジットカードからのチャージも可能になった。

モバイルPASMOアプリでクレジットカードを登録すれば、鉄道やバスで利用する場合も、場所を選ばずに好きな金額をチャージできる。

クレジットカードからチャージを行うには、まずモバイルPASMOにクレジットカードを登録する必要がある。

具体的には以下の7ステップで、アプリに最大で2枚までカードを登録できる。

1. モバイルPASMOアプリを起動

2. PASMO一覧画面で左上の[顔型マーク]をタップ

3. アカウント設定メニューで[クレジットカード情報]をタップ

4. クレジットカード選択メニューで「クレジットカード未登録」を選択(※1)

5. 登録・変更するクレジットカード情報を入力し[次へ]をタップ

6. 変更後のクレジットカード情報を入力し[次へ]をタップ

7. 確認画面で内容を確認し[登録する]をタップ

8. 各クレジットカード会社のページで、本人認証サービス(3Dセキュア認証)を実施

引用元:モバイルPASMOサポート

各クレジットカード会社のページで、本人認証サービス(3Dセキュア認証)を実施 本人認証サービス(3Dセキュア認証)とは、クレジットカード決済を安全に行うための認証システムで、VISA・MasterCard・AMEX・JCBのカードであれば問題なく対応している。

クレジットカードの登録ができたら、いよいよ入金のステップに進む。

なおモバイルPASMOアプリは、登録したクレジットカードから入金は完了すると取り消すことができないので注意しよう。

1. モバイルPASMOアプリを起動

2. トップページで[入金(チャージ)]をタップ

3. チャージする金額を選択

4. 金額を確認し[クレジットカード]をタップ

5. クレジットカード選択画面で、使用するクレジットカードを選択し、[次へ]をタップ

6. 金額を確認し[入金する(チャージ)]をタップ

引用元:モバイルPASMOサポート

クレジットカードからチャージすることで、決済の時にポイントが還元されることもあり、かなりお得に利用できる。

現金を使わずにチャージしたい方は、ぜひ参考にしてみて欲しい。

PASMOはクレジットカードからオートチャージできる

PASMOのチャージでクレジットカードを利用する最大の魅力は「オートチャージ機能」。

オートチャージ機能とは、改札機にタッチして、残高が足らなかった時に、自動的にチャージしてくれるサービスのことだ。

PASMOを使っていると、ついつい残高を気にせずに使ってしまい、タッチした時に残高不足になってしまうこともあるだろう。

オートチャージ機能を付帯させておけば、残高が足らなくても、勝手にチャージしてくれるので、足止めをくらうことはなくなる。

設定時に「実行判定金額」と「実行金額」を設定することによって、オートチャージが発生する条件や金額を設定することができる。

例えば、実行判定金額を「1,000円」、実行金額を「4,000円」に設定していたと仮定しよう。

この場合タッチした時の残高が「1,200円」だった場合、チャージはされない。

しかしタッチした時に「700円」の残高だった場合、実行金額の「4,000円」がチャージされて残高は合計「4,700円」になる。

チャージする条件や金額は後から駅で変更できるので、PASMO対応の駅で変更申請するように心がけよう。

PASMOにオートチャージできるクレジットカード一覧

残念ながらPASMOのオートチャージに対応しているカードは限られている。

主に鉄道系会社のクレジットカードであることがほとんどなので注意が必要だ。

以下にPASMOのオートチャージに対応しているクレジットカード一覧をまとめている。

該当しないクレジットカードでオートチャージを利用することは、基本的には不可能であるということを覚えておこう。

・小田急ポイントクレジットカード

・京王パスポートカード

・京急プレミアムポイントカード

・京成カード

・相鉄カード

・SEIBU PRINCE CLUBカード

・セゾン

・TOKYU CARD

・Tokyo Metro To Me CARD

・東武カード

・横浜交通 hama-eco card

PASMOにチャージするクレジットカードを選ぶ際の基準

PASMOにチャージできるクレジットカードは様々なものがあるが、具体的にどのようなカードを選べば良いか分からない方も多いはずだ。

基本的には鉄道系のクレジットカード会社の方が、ポイントも貯まりやすく相性は良い。

またそれ以外にも、年会費や使い勝手もその後の利用方法に大きく影響してくるので、ぜひ吟味して選んでみよう。

自分が利用する鉄道との相性

PASMOチャージでは、対応しているクレジットカードは多々あるが、基本的に鉄道系のクレジットカードを使うのがおすすめである。

PASMOはPASMO自体に独自のポイントサービスはないが、自分が利用する鉄道に合わせてクレジットカードを利用するとポイントが貯まる。

例えば京急では京急のクレジットカードでオートチャージすると「京急プレミアムポイント」を貯めることができる。

自分から普段使っている鉄道のクレカにすると、ポイントが貯まりやすくなるので、検討してみるようにしよう。

年会費

クレジットカードには年会費が無料のものと、有料のものが存在する。

一般的にクレジットカードの年会費は1,000円~2,000円ほどであることが多いので、あまり家計の負担にはならないかもしれない。

ただグレードの高いカードにすると、年間で10,000円を超えることもあるので覚えておこう。

ポイントの還元率

ポイントの還元率が何%なのかという点も、注意しなければならないポイントのひとつだ。

クレジットカードによって、還元率は大きく異なるが、還元率によってはポイントの貯まり方は大きく変わってくる。

例えば年間100万円分使うとして、還元率が0.5%の場合は5,000ポイントだが、1%なら10,000ポイント貯まる。

1ポイント=1円として換算すると、年間で5,000円ほどの差が生まれてしまうので、より大きな金額を決済する方にとっては、なかなか大きいのではないだろうか。

ポイントの還元率については、きちんと確認してクレジットカードを選ぶように心がけよう。

PASMOのチャージにおすすめの高還元率カード3選!

結論を言うとPASMOのチャージにおすすめなのは、交通機関系のクレジットカードである。

PASMO自体が交通機関を利用する際に利用する決済サービスなので、そこに紐付けて利用するのがベストな使い方だ。

今回はPASMOのチャージでおすすめの高還元率カードを3つ紹介している。

  小田急OPクレジット TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO ANA To Me CARD JCB
年会費 無料 1,100円(初年度無料) 2,200円(初年度無料)
ポイント還元費 0.5~5% 0.5~3.0% 0.5%~1.0%
オートチャージ対応

貯まるポイント 小田急ポイント TOKYU POINT Oki Dokiポイント・ANAマイル・メトロポイント

小田急OPクレジット

小田急沿線に住んでいて、小田急百貨店を頻繁に利用するのであれば「OPクレジット」のポイント還元が非常に便利。

通常のカード利用では還元率が0.5%とイマイチだが、小田急の加盟店だと最大10%のポイント還元率に跳ね上がるのも大きな魅力だ。

例えば小田急百貨店の新宿店では、5~10%ほどの還元率になるため、かなりお得。

頻繁に小田急を利用するのであれば、ぜひ小田急OPクレジットを検討してみると良いだろう。 

TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO

東急グループが発行している「TOKYU CARD ClubQ JMB PASMO」は、電車やバスの利用でTOKYU POINTが貯まる。

・電車やバス・・・最大1%

・クレジット利用・・・1%(VISA・MasterCard)

・東急提携店での利用・・・最大10%

特に東急グループ加盟店で買い物をすれば、ポイントがかなり貯まりやすくなるので、東急沿線に住んでいる方は非常におすすめだ。

年会費も2年目以降で「1,000円」しかかからないという点も、かなり評価できると言えるだろう。 

ANA To Me CARD PASMO JCB

PASMOオートチャージ機能はさることながら、定期券としても利用できるPASMO一体型のカード。

ANAと東京地下鉄、JCBの3社が提携しているカードで、ANAのマイレージが貯まるANAカードと、メトロポイントが貯まるTo Me CARDを一体化している。

・オートチャージ1000円・・・「OkiDokiポイント」が1ポイント

・PASMO定期券1000円・・・「メトロポイント」が5ポイント

メトロポイントは100ポイント分をANAマイル90マイルに交換できるので、引き換えやすいのも大きなメリットである。 

まとめ

PASMOでクレジットカードからチャージすることで、よりポイントが貯まりやすくなったり、現金の時よりも便利にチャージできるようになる。

またPASMOでオートチャージ機能の設定を行うことによって、チャージをする一切の手間を省いて使うことも可能である。

クレジットカードは交通機関系のカードを選ぶと、沿線の店舗でポイントが貯まりやすくなったり、非常に便利。

お得にPASMOを利用するためにも、クレジットカードの登録は早めに行うことをおすすめする。