先日、突然発表されたNayuta社の「ブロックチェーン技術を応用した使用権をコントロールできる 電源ソケット」。ブロックチェーンというワードに個人投資家が反応していたが、もう少し突っ込んだ話を伺うべく栗元代表へのインタビューを行った。 

※先日発表されたプレスリリースはこちら

 

Cointelegraph(以下CT) : 栗元さんのバックグラウンドについて教えてください。

栗元憲一氏 : 元々十数年SoC(System on Chip)関連の開発者でした。

トランジスタ回路設計やレイアウト等、どちらかというと泥臭い物理設計部分が中心です。

キャリアの途中で2年半、大学院で論理合成アルゴリズムの研究をしています。

それがコンピュータサイエンスのベースになってます。

その後Android+Hardwareな開発を行っていました。その当時のアウトプットは

k2-garage.com/saito/Product.htmlにあります。

 

 

CT : Open Assets Protocol とは何かを教えて頂けますか?

栗元憲一氏 : ビットコインのプロトコル上に規定されたアセットの受け渡しを行うプロトコルです。

ビットコインブロックチェーン上で動作します。ビットコインのブロックチェーンに取り込まれているトランザクションの内、決まったルールに従っているものがOpen Assets Protocolのトランザクションになるというような関係です。

 

 

CT : Open Assets Protocol を使用権の管理に採用した理由(メリット)を教えてください。

栗元憲一氏 : 当初、IoTへのブロックチェーンの応用を考えていた時はEthereumを使用するつもりで勉強していました。しかし、Ethereumはコンセプトは非常に素晴らしいが産業に利用されるまでにはまだまだ時間がかかるのではないかと感じてOpen Assets Protocolを利用することを考え始めました。

また将来的に課金型コンセントを考えた時に仮想通貨払いはある種の理想ですが、価格のボラティリティが高く現実的に誰も使ってくれないのではないかと考えました。仮想通貨のマーケットサイズが大きくなって価格が安定する可能性もあると思いましたが、まだまだ先の話だと感じました。Open Assets Protocolではボラティリティをなくした実装もできるため、市場の動向に合わせることができると考えました

福岡ビットコイン研究会で近大の山崎先生中心に勉強会が何度も行われてProtocolを知っていたためハードルが低いということも大きいです。

 

 

CT : ビジネス上、Open Assets Protocol がIOT のインフラ/プロトコルになる為のハードルがあれば教えてください。

栗元憲一氏 : Open Assets Protocolはビットコインのブロックチェーン上で動作するものですが、issuerが存在します。使用権のやり取りは問題ないと考えていますが、お金のやり取りを考えた場合は法的にどのような扱いになるのかがまだはっきりしていません。

 

 

CT : 福岡市の「新製品開発サポート事業」、AIP、QUEST とはそれぞれどんなプロジェクトなのか教えて頂けますか?

栗元憲一氏 : 「新製品開発サポート事業」とは、福岡市がIoT関連の新製品開発を行う企業に対し2/3の予算を補助する事業です。弊社含めて4社のプランが採択されました。福岡市は国家戦略特区の中で創業特区となっています。この事業も創業間もない会社でも利用できるように、中間払いがあったり、開発者であれば代表者の人件費を補助対象に含めたりというような工夫がされています。AIP, QUESTは非営利の法人で、「新製品サポート事業」の運営者として福岡市から採択されたグループとなります。

 

 

CT : Nayuta の今後のビジネス展開をお話頂ける範囲で教えてください。

栗元憲一氏 : このプロトタイプを製品として発売するところまで持っていきたいと考えています。

またプレスリリースにも書いていますが、今回の開発で得られるノウハウを切り出した形で製品化し、他のプロダクトを企画する会社さんに使ってもらえるようにしたいと思っています。