コミュニティ・エレクトリシティ社が設立した環境シンクタンク「Decarbbitcoin Labs」は、カリフォルニア州の気候変動対策の最初のプロトタイプとして、ビットコインのマイニングに取り組んでいる。

Decarbbitcoin Labsは、環境に優しいビットコインのマイニング方法を証明することを目的とした、世界初のプロトタイプをロサンゼルスで開発している。環境汚染の影響を受けている住民を保護することを目的としたカリフォルニア州の「環境正義プログラム」に沿った動きだ。

コミュニティ・エレクトリシティの共同創業者であるオースティン・デイビス氏は、コインテレグラフに対し、州内の環境正義コミュニティは、不動産や物流企業の再生可能エネルギー利用を含む様々な脱炭素化の取り組みに対して、10億ドル以上の資金提供を受けていると明らかにした。「これらは、低コストで地元で生産されたクリーンな電力を支援しており、導入の際の資本支出も最小限に抑えられる」という。

Decarbbitcoin Labsは、この支援を、ビットコインのマイニングを中心とした新しい戦略に適用している。デイビス氏は次のように説明する。

「DecarbBitcoin Labsは、マイニングプールにとって非常に競争力のある価格で100%グリーンなビットコインをマイニングする、初のプロトタイプをロサンゼルスに実装している。1MWのブロックで実験中だ」

ビットコインは、これまでで最も透明性の高い通貨システムを提供しているにもかかわらず、大量の電力を必要とすることから二酸化炭素排出量について激しく非難されている。ビットコインのコンセンサスアルゴリズムであるプルーフ・オブ・ワークは、毎年45.34メガトンもの二酸化炭素を排出していると言われている。

カリフォルニア州は、環境正義を体系化した最初の州のひとつだ。同州では、非営利のコミュニティ組織に対して、最大5万ドルまでの資金を提供する「Environmental Justice Small Grants」も提供している。

Decarbbitcoin Labsは、コインシェアーズやコンセンシスといったブロックチェーンに特化した企業とともに気候仮想通貨協定(Climate Crypto Accord)に加盟。この協定は、急成長する仮想通貨業界の二酸化炭素排出量を削減することを目的としており、196の締約国が採択した気候変動に関する法的拘束力のある国際条約である2015年の「パリ気候協定」を目標としている。
 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン