2020年第2四半期は分散型金融(DeFi)の台頭が見られた。Dapp.comが7月6日に発表したレポートによると、とりわけ分散型金融コンパウンドのガバナンストークンCOMPがリリースされた後にDeFiネットワークにおける活動が活発化した。
イーサ(ETH)のDeFi系の分散型アプリ(Dapps)取引高は、6月に57億ドル(約6100億円)を記録。イーサリアムネットワークのDapp取引高全体の97.5%を占めた。
(出典:Dapp.com 「イーサリアムのDappカテゴリー(米ドル)」)
DeFi系分散型アプリの取引高は、2020年6月21日に過去最高となる6億ドル(約640億円)を突破。同日、COMPの価格も372.79ドルと過去最高を更新した。Dapp.comは、「我々は2020年6月を”DeFiの月”として思い出すだろう」と総括した。
6月15日以前は、イーサリアム上のアクティブなDeFi系分散型アプリユーザーの1日あたり平均は7682。COMPトークンのリリースによって、1万1230と48%も増加した。
DeFiのアクティブユーザーは増加
四半期でのDeFi系の分散型アプリのアクティブユーザーは143万人となっている。
このうち分散型取引所(DEX)のアクティブユーザーは38万人に達しており、前四半期と比較して50%以上増加している。残りのアクティブユーザーはオンチェーンの金融プロダクトを使用しており、前四半期から67%増加となった。
イーサリアムエコシステムで最も使用されているERC-20トークンは、DAI、WETH、UDC、そしてBATだった。レポートによれば、BATはDeFiプロダクトで最も使用されているトークンという。「BATトークンから生成されたトランザクション量は9億3100万ドルで、イーサとDAIの合計よりも多くなっている」という。
またCOMPの配布後、コンパウンドの取引高は1億3100万ドルだったのが、24倍の33億ドルに増加した。ユーザー数も2629人から、3.5倍の1万1879人に増加している。
DeFiトークンCOMPの最近の勢いについて2017年のICO市場の熱狂と比べる専門家もいる。
ブロックチェーン研究を手がけるメサーリ共同創業者のライアン・セルキス氏は、COMPについて第2のICO(イニシャル・コイン・オファリング)になる可能性があるとみている。