IOTA、分散型モノのインターネットトークンは、現在ベータバージョンへと移行しつつある。IOTAは少額取引向けの暗号トークンで、IoTに関連するアーキテクチャの構築を容易にする。IOTAのプロトコルは、ブロックチェーンと似た、Tangleから実行され、よりエミュレートされたようなその働きにより、汎用性を高めている。
IOTAのトークンは、2月の早期に企業外の限られた人によってテストすることが可能になる、と共同設立者のDavid Sønstebøは話す。
David Sønstebø氏には、以前2015年の10月頃にIOTAのリリース後話を伺っている。今回またDavid氏に話を伺う機会がやってきたわけだが、ついにローンチに向けてベータ版がリリースされるということで、さらに興味深い話が聞けそうだ。
コインテレグラフ (以下CT): お久しぶりです。あれからIOTAについて何か新しい動きはあったのでしょうか?
David Sønstebø氏 (以下DS): コミュニティからさらに50万ドルの資金調達に成功して、Wanxiangブロックチェーン研究所の助成金が認められました。
CT: ベータ版ではどのような機能が追加されるのでしょうか?
DS: データやトランザクションの転送です。IOTAはデータ転送レイヤーやトランザクションにまつわるものですから。
CT: IOTAのベータ版における基礎的な技術についてお伺いしたいのですが。
DS: IOTAは最初のブロックを必要としない暗号トークンで、我々がTangleと呼んでいる、非循環有向グラフ構造に基づいたこの全く新しいモノによって、従来のブロックチェーンの代わりの働きをします。ネットワークのさらなる分散化とスケーラビリティの大幅な強化に繋がるわけです。IOTA上には手数料が発生しないので、リアルタイムで補償することで取引手数料を最適化することができます。これにより、例えば、データを集めるセンサーなどが近くの取引ステーションに支払いをした場合、そのデータをリアルタイムで取引することが可能です。もっと簡単な例を挙げましょう。電動バイクのシェアリングサービスを想像してみてください。IOTAによって正確にいくら分バイクを利用したのかわかるわけです。多すぎず、少なすぎず、リアルタイムにきっかりつかった分だけの利用料金が発生します。しかし同じテクノロジーはIoT外でも利用するのに適していますし、リアルタイムで補填したいサービスであればどのようなものでも向いています。例えば、月額のストリーミングサービスのサブスクリプションには支払いたくないけれど、リアルタイムで聴きたい音楽の分だけお金を払いたい、といった場合や、電子書籍丸々一冊は買うつもりはないけれど、読むページ分だけお金を払いたい、などといった場合には有効でしょう。
CT: 前回のインタビューで、イーサリアムやBitshares、Nxt、Bitcoinerの方々と、いかに異なるテクノロジー同士が合わさり相乗効果を生むかについて語ったとおっしゃっていましたよね。それはうまく行ったのでしょうか?まだそれについてはお考えでしょうか?それとも現存するアルトコインと真っ向勝負するおつもりなのでしょうか?
DS: 我々は、IoT(モノのインターネット)を利用する可能性のある人であれば誰でもコラボレートするつもりですし、共生していくつもりです。それは変わりません。RootstockのSergio Demian Lerner氏は1日目から素晴らしいコミュニティメンバーでしたし、我々はアクティブにスマートコントラクトプラットフォームにおける連携の可能性を追い求めていました。IOTA向けにさらなるユティリティの利用を可能にするためです。また、イーサリアムのコアプロジェクトともまだつながりがありますし、Bitsharesもまた他の暗号プロジェクト同様興味を示してくれています。しかし、こういった相互運用性はベータ版が利用可能になるまで、なかなか現実世界ではテストするのが本当に難しいものなので、今後数週間で色々なことが明らかになっていくと思います。
CT: IOTAの投資シナリオについてはいかがでしょうか。
DS: 我々は投資家を募ってはいません。ただ全てのIOTAトークンを購入したいという人達に販売しただけに過ぎません。IOTAには設定量があり、その各初期IOTAの価格は購入資金の総額で決まります。
つまり全てのIOTAは売れてしまったので、”プレミア”として我々の分残している、というようなことはありません。分散型の経済の出現は必要不可欠だと感じているからこそ、このストラクチャーを選択しているのです、誰にもコントロールさせないために。IOTAを買いたい人であれば誰でも取引所や、IOTAを持っている個人が行っているプライベートセールに出向いたりなどして、オープンマーケットを通して購入することが出来ます。IOTAに関わったチームの人間はもちろん維持し続けようとするでしょうが、今のところ資金集めをどうするか、などについては考えていません。将来的には相談して開発資金を募るようなシナリオももしかしたらあるかもしれませんが、現状ではその予定はありません。
CT: IOTAは現在どこかとパートナーシップを結んでいるのでしょうか、また、その予定は今後ありますか?
DS: まだベータ版手前の段階ですから、”公式のパートナーシップ”を結んだ相手というのは存在しませんし、もちろんこういった利害関係者がその技術をテストしてみたいと思えば、そういった他の企業と連携を結ぶ、というような形になりがちです。ですが、確かに、我々はIOTAを利用しているスタートアップ同様、いくつかの巨大企業とも連絡を取り合っています。今後ベータ版がリリースされ、ローンチした3、4週間後であれば、さらにその詳細をお伝えすることができると思います。
CT: 最後に何かあれば読者の方々にメッセージをお願いします。
DS: ベータ版や、次の正式版に参加したいという方であれば誰でも歓迎ですし、公式のcrowdsaleに参加してくれた何百人もの参加者に感謝したいです。旅はまだ始まったばかりです。