ステーブルコインの「テザー(USDT)」を発行しているテザー社は、マイクロストラテジーに倣って自社の資産管理を行うことを発表した。テザー社は、ビットコイン(BTC)を活用して資産を強化し、米国債の割合を引き下げる計画だ。

5月17日の発表で、テザー社は毎月一定額の利益をBTCに投資する計画を明らかにした。同社は「運用利益の最大15%を定期的にビットコインの購入に充てる」と述べている。この発表は、四半期決算報告の1週間後に行われた。同報告では、同社は約15億ドルの純利益を報告している。

同社の声明によれば、テザー社はすべてのビットコインを自己管理する予定だ。2023年第1四半期末時点で、同社は約15億ドル相当のビットコインを保有しており、これは総資産の約2%を占める。資産の85%は現金、現金同等物、および他の短期預金であり、主に米短期証券で構成されている。

テザー社は、市場をリードする仮想通貨であるビットコインは長期的な価値保存資産であることが証明されているため、ビットコインを選択するのは当然であると主張した。同社は、ビットコインの過去10年間の大幅な価格上昇と、従来の金融機関の破綻に対する回復力をこの決定の理由に挙げている。

テザー社の最高技術責任者であるパオロ・アルドイノ氏は、世界初の最大の仮想通貨であるビットコインは、投資資産としての潜在力があると述べた。また、ビットコインの供給量の限定性、分散型の性質、広範な採用が、機関投資家や個人投資家の間で「好まれる選択肢」となっていると付け加えた。

マイクロストラテジーも同様のビットコイン投資計画を持っており、米ドルを積極的にビットコインに置き換えている。ただし、マイクロストラテジーはBTC投資の期間を固定していないが、テザー社は毎月末に行う予定だ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン