新たなレポートによると、ステーブルコインであるテザー(USDT)が来年末までに現在時価総額で2位であるイーサ(ETH)を上回ることで、ステーブルコインや中央銀行デジタル通貨(CBDC)の大量採用への道が開かれると予想されている。
ブルームバーグのシニア・コモディティストラテジストのマイク・マクグローン氏が執筆した、ブルームバーグの「2020年第4四半期仮想通貨アウトルックレポート」によると、現在のペースが続けば、テザーは時価総額でイーサを抜いて第2位になる可能性が高いという。ETHの時価総額は現在、432億ドルとなっているが、同レポートではETHの「停滞した時価総額」を引用しており、7月下旬にあった分散型金融(DeFi)の影響を受ける前の2019年と2020年の300億ドル以下を比較している。
一方でテザーの時価総額は2017年から順調に推移しており、2018年10月に1度だけ大きく落ち込んでいる。テザーは2020年に時価総額41億ドルで始まり、今年10月には157億ドルまで急上昇している。

マクグローン氏は「テザーの拡大を食い止めるには、何か重要なことが起きなければならない」と述べている。「現在の傾向が続けば、テザーの時価総額は来年にはイーサリアムを超えるだろう」と指摘した。
仮想通貨(暗号資産)コミュニティの中では、テザーが仮想通貨を脅かすという予測を誰もが歓迎しているわけではないようだ。
ブロックストリーム社CEOのアダム・バック氏は12日、仮想通貨投資家のポートフォリオの大半がビットコイン建となっていることから、ビットコインが「重要な唯一のベンチマークだ」と指摘した。
#bitcoin is the unit a account already, for crypto traders. most portfolios are bitcoin denominated. it's the only benchmark that matters, you want to know if your long/short/option/yield/alt trading strategy did better or worse, or you could have just held. not hodling is risk.
— Adam Back (@adam3us) October 11, 2020
ユーザーから「トレーダーはステーブルコインを使っているよね」との質問に対し、バック氏は「私もステーブルコインを使っている。しかし、それはビットコインのショートためで、ステーブルコインはそんなに保有していない。」とし、「ビットコインの保有を伴わない戦略は、ビットコインをアンダーパフォームする高いリスクがある」と答えた。
レポートではテザーの需要がCBDCの到来が「時間の問題」であることを示唆している一方で、ビットコインの強気の未来も予測している。
ブルームバーグは」ビットコインが現在の11448ドルから2025年までに10万ドルまで上昇すると予想。ビットコインの供給量が2100万に固定されていることから「ポジティブなままだ」としている
「多くの需要と採用の指標はビットコインが上昇を続ける可能性を示している。」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン