テザー社のパオロ・アルドイノ最高技術責任者(CTO)は、ステーブルコインであるテザー(USDT)が、空売りを狙うヘッジファンドによる「組織的攻撃」の対象になっていると語っている

アルドイノ氏は、5月のテラの崩壊以来、ヘッジファンドがUSDTを空売りするために数百万ドルのローンを行っているという報道に反応した。

ヘッジファンドが最終的により安い価格でトークンを買い戻すことを目的として、「テザーの流動性を損なう」ような圧力を「数十億ドル規模で」作り出そうとしていると同氏は主張する。

アルドイノ氏は、一部のヘッジファンドがステーブルコインに関するFUD(恐怖、不確実性、疑念)を信じ、その拡散を手助けしたと非難している。

テザーに関して、100%の裏付けがないという主張や、経営不振企業や中国のコマーシャルペーパーに大きなエクスポージャーを持っているといった話が競合他社によって「トロールネットワーク」を使って流布されていると、アルドイノ氏は主張している。

アルドイノ氏は、これらの噂に反論し、テザー社が規制当局と協力し、透明性を高める努力を行ってきたと主張。またコマーシャルペーパー(CP)へのエクスポージャーを段階的に削減していることにも言及した。

「第三者機関による証明、規制当局との協力、透明性の向上、CPのエクスポージャーを段階的に減らし米国債に移行するちうコミットメント...これらの取り組みにもかかわらず、彼らは我々テザーが悪者だと考え続けている」

アルドイノ氏は、テザー社は「一度も償還に失敗したことがない」と主張し、48時間の間にテザーは総資産の10%にあたる70億ドルの取引を処理したと述べ、これは「銀行にとってさえほとんど不可能なこと」であると書いている。

また、テザー社は今月すでにコマーシャルペーパーのエクスポージャーを450億ドルから84億ドルに減らしており、「今後数ヶ月以内に」コマーシャルペーパーによる裏付けを一掃するつもりであるとのことだ。

アルドイノ氏のコメントは、仮想通貨価格の下落から利益を得ようとする空売りが伝統的なヘッジファンド勢から出ていることを受けたものだ。

月曜日のウォールストリートジャーナルの報道では、ジェネシスの機関投資家営業責任者であるレオン・マーシャル氏の発言を引用し、過去1ヶ月間にジェネシス社の証券取引プラットフォームを通じてテザーをショートする取引が増えていると指摘している。

テザーが注目され、空売りを狙う伝統的なヘッジファンドの関心が急増している」とマーシャル氏は語っている。

空売りとは、投資家が資産を借りてすぐに市場で売却し、後で安い価格で買い戻してその差額を利益にするという投資戦略だ。これにより、投資家は株式や資産の下落から利益を得ることができる。

マーシャル氏によれば、空売りの大半は米国と欧州の伝統的なヘッジファンドによるもので、5月にアルゴリズム型ステーブルコインのテラUSDが下落したことを受けて、多くの関心が集まるようになったという。