ステーブルコインのテザーが仮想通貨(暗号資産)XRPと時価総額でデッドヒートを繰り広げている。2日には一時XRPを抜いて、時価総額3位に躍り出たが、記事執筆時点ではXRPが抜き返している。

Coin360のデータによると、記事執筆時点で、テザーとXRPの時価総額は134〜136億ドルほどでほぼ変わらない資産となっている。

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(出典:Coin360)

テザーは2020年5月にXRPを抜いて、時価総額3位となっていたが、7月の仮想通貨相場全体の押し上げを受けて、XRPが再び3位となっていた。

テザーは5月に時価総額3位となった当時は、88億ドルほどだったが、現在はここから50億ドルほど大幅に増加している。テザーのレポートによると、年初来でテザーの供給量は225%増加し、テザー社CTOのパオロ・アードイノ氏は2020年中に200億ドルに達すると述べている。

こうしたテザー需要の増加には、プリミティブ・ベンチャーズの創業者ドビー・ワン氏が「中国人が米ドルの代わりに使っている」との指摘がある。「多くの中国企業や商人、特に中国外で働いている人はテザーを受け入れている」という。

米ドルの代替と考えられていることで勢いが出ているのではないかとの指摘について、アードイノ氏はコインテレグラフに対し、「テザーは万能薬でもなければ、米ドルのような法定通貨の代替品でもない」と回答。

テザーは迅速な決済機能や高い流動性、低い手数料と、米ドルにペッグされた安定した価格によって、「安定性の低い法定通貨を持つ国で、仮想通貨トレーダーや送金、融資商品、セーフヘブンとしての機会を提供している」と中国国内にとどまる話ではないと主張した。

既報の通り、テザーの1日当たりの平均送金額はビットコインを超えたボリュームに成長。背景にはDeFiや分散型取引所(DEX)であるユニスワップ(Uniswap)での利用によって引き起こされている。

アードイノCTOもテザーの今後について、DeFiとの関連をあげた。

「我々はUSDTが流動性を提供することによって、多くのDeFiプロジェクトをサポートできることに興奮している。USDTがどのようにして、DeFiの急速な発展の中で中心的な役割を果たすのかにより関心がある」