世界最大のステーブルコイン発行企業であるテザーが、人工知能(AI)分野への取り組みを加速させている。複数のAIアプリケーションを開発中であることを、同社のCEOであるパオロ・アルドイノ氏が明らかにした。
テザーのAI部門テザー・データは、「AI翻訳」、「AI音声アシスタント」、「AIビットコイン・ウォレット・アシスタント」といったアプリを開発している。
「テザーは近く、独自のAI SDK(ソフトウェア開発キット)プラットフォームをオープンソースで公開する予定だ。このSDKは、組み込みデバイス、モバイル端末、ノートPC、強力なサーバー、さらにはクラスタ化されたサーバー環境など、あらゆるハードウェアで動作する」と同氏は述べた。
プライバシーと自己管理を重視したAIアプリ
具体的な詳細は明かされなかったものの、アルドイノ氏は「テザー・データのAIアプリは、すべてのデバイス上でローカルに動作し、完全なプライバシーを確保しながら、データと資産の自己管理を可能にすることに重点を置く」と説明した。
AIビットコイン・ウォレット・アシスタントのデモでは、ユーザーがペイメント・エージェントに対して自身のBTCウォレットアドレスを尋ねた後、BTCの残高を照会する様子が示された。
また、ユーザーがアドレス帳の受取人を確認し、その中の1人に少額のBTCを送金するようAIエージェントに指示する場面もデモで披露された。
全てのプロセスはAIチャットボットのインターフェースを通じて行われ、自動的に処理された。
AI翻訳は、シンプルなAIチャットボットによる翻訳ツールであり、AIボイスアシスタントは、テキスト入力ではなく音声入力に対応したチャットボットだ。
Source: Paolo Ardoino
テザーのAI分野への進出は2023年から始動
テザーのAI領域への進出は2023年にすでに始まっていた。同社は23年9月に欧州の仮想通貨マイニング企業ノーザン・データ・グループの株式を取得している。同社はクラウドコンピューティングおよび生成AIを専門とする企業だ。
さらに24年3月には、AI技術の開発を推進するために、世界規模で優秀な人材募集を開始した。テザーは当時コインテレグラフに対し、「AI技術の限界を押し広げ、新たな業界標準を打ち立てる」ことを目標にしていると述べていた。
12月には、アルドイノ氏が「テザーのAIプラットフォームのサイトのドラフトを受け取った」と発言し、2025年第1四半期末のローンチを目指していることを明かした。
テザーの記録的な利益とUSDTの成長
1月31日、テザーは2024年の純利益が130億ドルに達したことを発表し、米国債の保有額が過去最大となったことを明らかにした。同社によると、現在の米国債ポートフォリオは約1130億ドルに達している。
一方で、テザーのステーブルコインUSDTは時価総額で世界第3位の仮想通貨となっており、2月5日には10億ドル相当の新規発行を行い、時価総額は過去最高の1410億ドルに達した。
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