デジタルコレクションとバーチャルリアリティプラットフォームを手がけるテラ・バーチュア(Terra Virtua)は大手映画制作会社のワーナー・ブラザーズと提携し、「ゴジラvsコング」のNFTグッズを発売した。「ゴジラvsコング」は米国で3月31日から米国の劇場で公開されている。
現在はゴジラとコングのレトロなイラストタッチのポスターのNFTが75ドルで販売されているが、より精巧なアニメーションも販売される。テラ・バーチュアのWebページでは、様々なポスターを見ることができる。
You lucky things, considering the movie launches TOMORROW, we've decided to release not one but TWO exclusive 2DA posters. It really is time to pick your side. Will you go for #TeamKong or #TeamGodzilla? https://t.co/qi5QZ4diLn#GodzillavsKong #GvK #NFTDROP #Legendary #NFT pic.twitter.com/lBq5bhSttI
— Terra Virtua HQ | Collecting. Reinvented. (@TerraVirtuaHQ) March 30, 2021
ユーティリティと認知
映画界とNFTが手を組んだように、NFTプラットフォームを開発する企業の成長は、広く愛される知的財産(IP)の上に成り立っている。テラ・バーチュアの競合であるエコノミ(Economi)社はバットマンの世界を再現し、リアリティ・ゲーミング・グループはBBCと共同でSFテレビドラマ「ドクター・フー」のカードゲームを開発している。最近ではNBAの選手がプレイしている姿をNFTカードにしたNBAトップショットが売り上げを大きく伸ばしている。
ワーナー・ブラザーズは「ゴジラvsコング」のNFTでもアーティストのボスロジック(Bosslogic)や大手コレクティブルズのトップス(Topps)などがライセンスを保有するNFTを販売するなどのライセンス戦略を展開している。
IPの独占
一方で知的財産の質や量といった点ではテラ・バーチュアは唯一無二だろう。「ゴジラvsコング」だけでなく、「ゴッドファーザー」や「トップガン」といった名作に加えて、「パシフィック・リム」や「ワールド・ウォーZ」、「ロスト・イン・スペース」などのIPを使った作品を発売している。
同社のマーケティング責任者であるジェン・ナイフ氏は、豊富な取引と買収の経験を持つ「トータル・レジェンド」と呼ばれる経営陣のおかげで、充実したカタログを手に入れることができたと語っている。
「当社のCEOであるゲイリー・ブレイシーは、BAFTAにノミネートされたこともあるゲーム業界のベテランで、25年以上の経験を持ち、映画IPのコンピュータゲームを主流にしたことで知られている。ダグ・ダイアーは、ワーナー・ブラザースに在籍していたとき、自身が開発した『ハリー・ポッター』のビデオゲームをスコットランドに持ち込みデモを行い、J.K.ローリングの承認を得た」
こうした結果として独占的なIPを見つけ出し、アクセスすることが「DNA」になっているという。
こうしたブランドへのアクセス権を得ることは、業界全体にとっても重要だろう。
「業界としては、仮想空間の土地以外の世界にも、NFTの正しいストーリーを伝える必要がある。そうすれば、デジタルコレクションの所有権が、GoogleやAlexa、Siriにお気に入りの曲を演奏してもらうのと同じくらい自然なものになるだろう」