朝山貴生氏曰く ― 日本人は、ビットコインが違法なものだと思っていた

日本の市場は若く、発展途上だ。したがって、その過程で何かしら問題や障害があっても不思議ではない。ZaifのCEOであり、ブロックチェーン技術によるサービスを提供しているMijinのクリエイターでもある朝山貴生氏に、日本のビットコインやブロックチェーン市場の現在の問題点について、今回コインテレグラフに語っていただいた。

現在、日本には影響力のあるグループが二つある―日本価値記録事業者協会(JADA)と、Zaif、BitBank、BTC-Boxを含む独立企業グループだ。どの企業も日本政府や金融庁と話し合いを設け、独自の方法で努力している。

 

コインテレグラフ: 日本のビットコインやブロックチェーン市場において主な問題点としてどのようなものが挙げられますか?

 

朝山氏: 銀行です。彼らは国内の主要な取引所が、その送金サービスをマネーロンダリングのために利用しようとしているとして、ビットコインが詐欺行為に利用可能なスキームの一種であると考えています。去年の4月のことでした。その時から銀行はビットコインを疑いの目でみるようになり、ビットコインビジネス向けのアカウント開設を中止しました。

たった5社の企業だけが、ビットコイン取引所として営業することを許可されているような状態ですし、金融庁は彼らの言うことにしか耳を傾けようとしません。こういった状況を鑑みると、この先18ヵ月間は市場に新しいビットコイン関連企業が参入することはないでしょう。状況を変えるには時間がかかります。日本においては、こういった状況が当たり前になってしまっています。

 

CT: 日本の銀行がブロックチェーンを利用する見通しはあるのでしょうか?

朝山氏: 現時点では、Mijinが主にブロックチェーンベースのプライベートプラットフォームを提供しています。去年の9月に我々のブロックチェーン製品を売り出しましたが、銀行は一切興味を示しませんでした。

日本にはブロックチェーン技術は一切ありません。何故なら世界で最も保守的な政府を持つ、最も保守的な国だからです。だからこそ銀行には、ブロックチェーンによる分散型元帳システムを利用するような未来が想像できないのでしょう。

もちろん銀行にも話を伺いましたが、常に彼らが気にしていたのは、誰が最初にその技術を導入するのか、ということでした。その後、今月についに、住信SBIネット銀行がブロックチェーンを用いた実証実験を行うと公式に発表を行いました。12月のことだったのですが、とてもニュースになりました。それからは皆がブロックチェーンに食いつき興味を示し始めています。

ついに日本の銀行もブロックチェーン市場が視野に入ってきたというわけです。

しかしそれでも。多くの人がビットコインをあまり信用していません。最近までビットコインを扱ったニュースはネガティブで攻撃的なものばかりでした。多くの日本のメディアが”ビットコインの社長逮捕”などと報じたことから、国民はビットコイン関連企業やビットコインに関わる人々が皆犯罪者であると考えがちなのです。

幸い、ブロックチェーン技術に関しては信頼している人が増えてきてます。何社かの企業様にブロックチェーン技術についてお話をさせていただいて、興味を持っていただきました。

ビットコイン企業の発展に貢献できたことと、彼らビットコイン関連のサービスに携わっている人間が清廉潔白で、きちんとした会社であると、世間に知らしめることができて嬉しく思っています。こうしてブロックチェーンやビットコインに興味を持つようになった人々が出てきたのです。

こういった変化は過去30日間かそれぐらいで起こったことでした。

 

CT: 日本の市場は海外企業も参入できるようなオープンな市場なのでしょうか?海外企業は日本のブロックチェーンやビットコイン市場に参入したいと興味を示していますか?また、逆にヨーロッパやアメリカの市場に参入したいと考えている日本企業はあるのでしょうか?

朝山氏: 海外企業が日本で展開することは難しいでしょう。申し上げたように、日本はとても保守的な国です。この国でビジネスをするのは容易なことではないのです。一緒に働くだけでも 難しいですから。契約を結ぶとなればなおさら大変です。我々の市場に参入するためには、Googleのような巨大企業である必要があります。そうでなければ彼らは簡単には耳を貸さないでしょう。

海外に参入する可能性のある企業、ということであれば、Mijinがそうだと思います。我々は2月に海外進出を果たす予定です。現在、誰も国外へ出ようとはしません。何故かといえば、例えばビットコイン取引所にとっては、それは赤字覚悟のオークションマーケットのようなものだからです。日本企業が海外進出をするのは、海外企業が日本国内でビジネスを展開するのと同じくらいの難しさがあります。

そしてブロックチェーンについて言えば―日本においては、オリジナルのブロックチェーン技術を持っている企業は他にはありません。

 

CT: 現在ブロックチェーンやビットコイン業界に対して、一般業界からはどの程度注目を集めているのでしょうか?銀行を除いて、どれだけの他業界の企業が日本のブロックチェーン市場に参入したいと考えているのでしょうか?

 

朝山氏: 難しい質問です。まだ”ブロックチェーン”と言う言葉が浸透し始めてきたばかりですし、ブロックチェーンがビットコインでしか利用されないものだと考えられがちですから。もちろん、ブロックチェーンが独自のプライベート元帳システムとして利用できると知っている方はいらっしゃいますし、そういった銀行も在ります。

日本の金融機関には非常に厳格な規律やガイドラインが存在しています。そしてそれを修正したり、既存のルールを変えることは難しいのです。今どれだけ日本に電子マネー関連の企業が存在しているのか知ったら驚かれると思います。彼らは銀行に依存しない市場へ移行しようと必死です。

多くの電子マネー関連会社が、銀行よりもかなり早くブロックチェーン技術が導入できるとして、その導入のために努力しています。しかし、日本における銀行のレギュレーションが変わり、企業がブロックチェーンを自由に取り入れることができるようになるのに、あと2年もかからないでしょう。

 

CT: 2016年、どういったテクノロジーが暗号通貨業界を牽引していくとお考えですか?また、2016年における最も収益性の高いブロックチェーンベースのサービスとはどのようなものでしょうか?

朝山氏: Mijinはブロックチェーンベースのプロダクトを2016年にローンチします。4月公開予定です。既に稼働中の無料ブロックチェーンサービスもあり、このサービスに関わっている銀行もいくつかあります。

また日本国内の電子マネー関連企業も2016年にブロックチェーンプラットフォームを導入する予定のようです。しかしビットコインは未だに我々の市場において頂点に君臨していますし、ブロックチェーンは印紙、公証人サービス、スマートコントラクトやロジスティクスなどの市場にも参入していくだろうと私は考えています。特にロジスティクス界隈の分野は2016年に成長していくと思います。

収益性に関してですが、これは送金事業がメインになってくるのではないでしょうか。誰が市場を牽引していくのかはわかりませんが、あのSwiftでさえブロックチェーン技術には興味を示し始めています。ですから、競争は非常に激しいものになるでしょうし、大きな市場になることでしょう。

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