銀行間通信ネットワークのSWIFTは最近、SWIFTがブロックチェーンとどのように接続し、異なるブロックチェーンネットワーク間の相互運用性の問題を解決できるかを強調する報告書を公開した。

「ブロックチェーンの接続:トークン化された資産の断片化の克服」と題された報告書では、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、トークン化された預金や資産を1つの統一された台帳にまとめるよりも、既存のシステムとブロックチェーンを相互にリンクさせる漸進的なアプローチが、短期的な市場の発展において「より現実的」だと結論づけている。

SWIFT が金融機関をさまざまなブロックチェーンにどのように接続できるかを示した図 Source: SWIFT

SWIFTは報告書で、異なるブロックチェーンネットワーク間に「安全な相互運用性が欠如」していると指摘。このことが様々な非効率性やユーザー体験の低下を引き起こしていると指摘した。しかし、SWIFTが相互運用性の問題を解決する可能性があると考えている。

さまざまな金融機関やブロックチェーン・オラクル・ネットワーク・プロバイダーのチェーンリンクと協力し、SWIFTは既存のインフラを使用して複数のネットワークへの一元的なアクセスポイントを提供する能力を示すことができると述べている。SWIFTによれば、これにより、トークン化資産をサポートするための運用上の課題やコストが大幅に削減される。

SWIFTの最高イノベーション責任者トム・ツァッハ氏はプレスリリースで、金融エコシステム全体に接続できる機関があれば、トークン化の可能性を最大限に引き出せると語った。

ツァッハ氏は「私たちの実験は、既存の安全で信頼性のあるSWIFTのインフラがその中心的な接続点を提供できることを明確に示しており、トークン化の発展における大きな障壁を取り除き、その可能性を解き放つ」と説明した。

報告書では、SWIFTはトークン化の多くの潜在的な利点を指摘。それには流動性の増加、自動化の進展、透明性とセキュリティの強化が含まれる。一方でSWIFTは、トークン化には利点がある一方で、法律や規制の枠組みがまだ開発中であるという大きな障害があると強調した。SWIFTによれば、これは金融機関がトークン化資産取引に取り組む際の課題となっている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン