2020年の様々な騒動を経て、分散型取引所(DEX)のスシスワップ(SushiSwap)は2021年の野心的なロードマップを発表した

今後の展開として、RuneとMoonbeamによるクロスチェーンDEXやポルカドットチェーンでの実装、2021年末までに完全に分散化されたガバナンス構造の実施などが挙げられた。これは分散型金融(DeFi)でも最も複雑で高度な実装になる。

投稿では、Mirin(みりん:味醂)と呼ばれるバージョンアップ(スシ・プロトコルv3)のローンチや、近く予定されているレンディングサービス「BentoBox」が1月中にも設定されていることなどが発表された。

さらに近くリブランドを行う可能性も示唆している。現在提供されているプロダクトの種類や数などから「スシスワップは2021年に新たなドメインに移行し、AMM(自動マーケットメーカー)ではないことを反映させる」としている。AMMとはDEXでの注文形式の一つ。仮想通貨を交換したいユーザーが自身が保有する仮想通貨を流動性プールに提供することで、あらかじめ流動性プールに入っていた仮想通貨を交換するというもの。板(オーダーブック)形式とは違い、ユーザーが直接交換できる。

今回特に注目を集めるのがArcherDAOとの統合提案だ。Archerはより効率的にブロックを生成するためにイーサリアムのマイナーと連携している。今回の統合によってマイナーのフロントランニング(対象者のオーダーを見た者が、先に自身のオーダーを処理することで、対象者に不利なレートで取引させる手段のこと)の減少に繋がる。この統合はMEV(マイナー抽出価値)と呼ばれる。

また、アルゴリズム・ステーブルコインのFRAXやDSD、BAOと行ったトークンのサポートも予定されている。

2020年8月に始まったスシスワップにとって、1年間のロードマップというのは長い目標だ。コインテレグラフに対し、スシスワップの主要コントリビューターである0xMaki氏は、今後のスシスワップコミュニティに関するビジョンを語っている。

「私は人々にインセンティブを与え続けて、彼らの資産を生産性の高いものにしたい。DAOに参加させる。より多くの開発者が好きなものを作れるように報酬を与える。DeFiや新しい金融プリミティブをより多くの人に紹介する。Sushiで新しい分散型アプリ(dApps)を目立つように紹介する。2021年には誰もが勝者になることができるだろう」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン