ドイツ人の29%が投資先の一つとして仮想通貨に関心を寄せている。コインテレグラフ・ドイツ版が29日に伝えた。ドイツ銀行傘下のポストバンクが18年2月末から3月末にかけて3100人のドイツ人を対象に実施した調査で明らかになった。

 なぜ仮想通貨に興味があるのかという質問に対して、女性の60%、男性の51%が「確立した金融システムからの独立」を主な理由に挙げた。一方、「高い利益が期待できる」を挙げた人は特に男性に多く、男性が56%だったのに対し、女性は36%だった。また仮想通貨投資に興味がある人のうち3人に1人が「匿名性」を主な理由に挙げた。

 年齢別に見ると、仮想通貨の人気は18〜34歳の間で特に高く、この年齢層では、約半数にあたる46%が仮想通貨投資に興味があると回答した。18〜34歳の回答者のうち6%がすでに投資を始めていて、14%が今後12か月の間に投資を行う予定だと回答した。

 ポストバンクでデジタル部門の責任者を務めるトーマス・マンゲル博士はプレスリリースの中で、ここ数か月間の仮想通貨の急激な価格下落は仮想通貨人気に影響していないようだと話す。同氏は、これは、投資対象としての仮想通貨のチャンスとリスクに関する知識が不足しているためだとして次のように警告した。

「あらゆる魅力があるにもかかわらず、若い投資家たちは、確立した銀行システムから提供されている物事を忘れてはならない。すでに証券投資をしている人も、高いリスクを伴う仮想通貨には決して投資するべきではない。このタイプの投資はきわめて投機的だ」

 ここ数か月間の仮想通貨の価格変動に対し、多くの銀行家が繰り返し警鐘を鳴らしてきた。欧州中央銀行のイヴ・メルシュ理事は、デジタル通貨を金融安定への驚異だとして、銀行を厳しく監督すべきだと主張した。また、ドイツ銀行のマルクス・ミューラー最高投資責任者は仮想通貨の高いボラティリティを批判している