最大抽出可能価値(Maximal Extractable Value、MEV)ボットのオペレーターが、今週2つの新しいミームコインの買い手と売り手に対して「サンドウィッチ攻撃」を実行し、100万ドルを超える額を得た。

非代替性トークンデータプラットフォームSealaunchによれば、イーサリアム・ネーム・サービス(ENS)ドメイン「jaredfromsubway.eth」とリンクされたウォレットアドレスは、4月18日にサンドウィッチ攻撃から95万ドルを得て、4月17日と19日にそれぞれ約30万ドルと40万ドルを得た。

このボットのENSドメインは、人気のあるサンドイッチチェーン「サブウェイ」と不祥事を起こしたサブウェイ元広報担当者ジャレッド・フォーグル氏を皮肉った意味である可能性が高い。

Sealaunchが別の投稿で説明したように、4月18日から19日の24時間の間に、イーサリアムのガス料金の7%がMEVボットによって消費された。

利益の大部分は、2つの新しいミームコイン、Pepe(PEPE)とWojak(WOJAK)に関連する取引への攻撃から来ている。これにより、jaredfromsubway.ethが過去1週間で最大のガス消費者になったと、暗号研究者のマット・ウィレムセン氏が説明している。

サンドウィッチ攻撃は、攻撃者が被害者の取引を自分の2つの取引の間に挟んで価格を操作し、ユーザーから利益を得るものだ。

これが可能なのは、被害者のトランザクションが最初にmempoolに送信され、次のブロックに追加されるのを待っている間に、攻撃者が高いガス料金のトランザクションを設定する(これにより、最初に受け入れられることが保証される)、別の低いガス料金のトランザクションを設定して、被害者のトランザクションの後に入るようにする。

攻撃者は、市場価格よりも安い価格で被害者が注文したトークンを購入し、被害者の取引で価格が上がった後に、そのトークン売却することで収益を得る(収益からガス料金を差し引けば、利益となる)

Reserve Protocolのプラットフォーム責任者であるトーマス・マティモア氏が共有したデータによると、jaredfromsubway.ethが得た大きな利益は、4月18日から19日の間に、約120万ドルがガス料金に使われたことから得られたものだ。

Sealaunchによると、MEVボットオペレーターは、18万件の取引でガス料金に700万ドル以上を費やしている。

MEVボットのドメイン名や行動にユーモアを感じる人もいるが、すべての人が満足しているわけではない。

オンチェーン分析会社Glassnodeのアナリストの1人は、jaredfromsubway.ethが世界に提供している「価値」に疑問を呈した。

他のツイッターユーザーはさらに一歩進んで、MEVボットオペレーターに対する憎しみや不満を表明している

MEV Blockerによれば、MEVボットは、取引、流動性の提供、NFTの発行を試みるイーサリアムユーザーから13億8000万ドル以上を搾り取っている。

サンドウィッチ攻撃からイーサリアムユーザーを守るために、いくつかのMEV Blockプロジェクトがここ数か月で立ち上げられた