ブロックチェーン分析会社のチェイナリシスは、仮想通貨犯罪に関する最新の報告書で、2022年と2023年にステーブルコインが不正取引の大半を占めたと指摘している。2018年から2021年にかけてはビットコイン(BTC)が犯罪者の間で「選択される仮想通貨」だったが、サイバー犯罪者はBTC以外の取引方法を求めてステーブルコインに移行しているようだ。

2018年から2023年までの資産タイプ別の違法取引量. Source: Chainalysis 

報告書は、ステーブルコインの全体的な活動の増加とともにこの変化が生じたと指摘している。それにもかかわらず、ダークネット市場の取引やランサムウェアのような犯罪活動では、依然としてBTCが主に使われている。しかし、詐欺や制裁対象の組織との取引などについては、サイバー犯罪者がステーブルコインを好む傾向が強まっている。

チェイナリシスによれば、「制裁対象の組織が2023年には合計149億ドルの取引量を占め、私たちがカウントした年間の不正取引量の61.5%を表している」という。この金額の大部分は、米財務省外国資産管理局(OFAC)によって制裁された仮想通貨サービスによるもので、これらのサービスは米国の制裁が施行されていない場所で引き続き運営されている。

ブロックチェーンセキュリティ企業セルティックは1月4日、2023年の仮想通貨ハッキングによる収益が51%以上減少したと報告した。これはブロックチェーンのセキュリティにとって「前向きな発展」だとセルティックの幹部はコメントしている。

チェイナリシスも報告書で似たような数字を共有しており、仮想通貨ハッキングによる収益が54.3%減少し、仮想通貨詐欺の利益が29.2%減少したことを強調している。これにより、2023年には不正なアドレスに関連する取引高も減少したという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン